ICL(眼内コンタクトレンズ)手術を検討しているとき、「どのクリニックで、誰に執刀してもらうか」は視力の将来を左右する大切な選択です。なかでも注目されるのが、ICLシニアエキスパートインストラクターという称号。国内にわずか2名しか存在しないこの資格が、なぜこれほど重要視されているのかを、資格制度の仕組みから費用・術後ケアまで、わかりやすく解説します。
ICLシニアエキスパートインストラクターとは?資格制度と認定条件
学会が定めるエキスパートインストラクター制度の概要
ICL(Implantable Collamer Lens)は、スイスのSTAAR Surgical社が開発した眼内レンズを用いる屈折矯正手術です。近視・乱視の矯正を目的として世界中で普及しており、日本でも多くの眼科クリニックで実施されています。
この手術の普及・教育体制を支えているのが、JSCRS(日本白内障屈折矯正手術学会)などの学術団体と、製造販売元であるSTAAR Surgicalが連携して構築した「ICLエキスパートインストラクター制度」です。制度の目的は、ICL手術の技術水準を国際標準まで高め、術後の視力回復と安全性を担保すること。単にたくさん手術をこなすだけでなく、他の執刀医を指導・育成できる能力を持つ医師を認定するための仕組みです。
認定には大きく分けて「エキスパートインストラクター」と「シニアエキスパートインストラクター」の2段階があります。どちらも一朝一夕では取得できない、長年の実績と専門的な学術活動の積み重ねが求められます。
シニアランクが付与される条件と年間症例実績
「シニア」の称号が加わるためには、エキスパートインストラクターとしての実績をさらに積み上げた上で、以下のような複数の条件をクリアする必要があります。
| 条件項目 | 内容(目安) |
|---|---|
| 累計執刀症例数 | 数千例以上のICL手術実績 |
| 年間症例数 | 継続して高水準の執刀数を維持 |
| 後進指導実績 | 若手医師・エキスパートインストラクターへの指導・育成 |
| 学術活動 | 国内外の学会発表・論文執筆など |
| 国際ライセンス | STAAR Surgicalが認定する国際資格との連動 |
とくに重要なのが「後進指導」の要件です。自分が上手に手術できるだけでなく、その技術を体系的に言語化し、次世代の医師に伝えられるかどうかが問われます。いわば、ICL手術界の「先生の先生」とも言える存在です。
国内2名だけ―希少性から見る価値と役割
2025年時点で、日本国内のICLシニアエキスパートインストラクターはわずか2名のみ。その2名が、山王病院アイセンターの清水公也医師と、中京眼科・先進会眼科の市川一夫医師です。ICL手術を行う眼科医は全国に数百名規模で存在しますが、そのトップに君臨するのがこの2名というわけです。
希少性が持つ意味は単なる「レアリティ」ではありません。2名の医師は、国内外のICL講習会において講師として登壇し、執刀技術の標準化・向上に実際に貢献しています。患者にとっては「その医師に直接執刀してもらえる」ことが最大の安心材料になり、クリニック側にとっても「シニアエキスパートが監修・指導する体制」は、品質保証の証明として機能します。
国内2名のシニアエキスパートインストラクター一覧とプロフィール【東京・関西】
| 氏名 | 主な所属施設 | 診療エリア | 施設形態 |
|---|---|---|---|
| 清水 公也 医師 | 山王病院アイセンター(東京都港区) | 東京・関東 | 総合病院内アイセンター |
| 市川 一夫 医師 | 中京眼科・先進会眼科(名古屋・大阪・東京ほか) | 全国主要都市 | 専門眼科クリニック |
東京エリア|山王病院アイセンター・清水公也医師の経歴と実績
東京エリアでシニアエキスパートインストラクターを保有するのが、山王病院アイセンターに在籍する清水公也医師です。山王病院は東京・赤坂に拠点を置く総合病院で、そのアイセンターは眼科領域における高度専門医療の拠点として知られています。
清水医師はICL手術の黎明期から日本への普及をリードしてきた存在で、累計執刀数は国内トップクラス。学会発表や後進指導においても精力的に活動しており、日本のICL手術の「教科書」を作ってきたと言っても過言ではありません。総合病院という環境ならではの安心感(他科との連携体制、設備の充実)も大きな強みです。
関西・中京エリア|中京眼科・先進会眼科・市川一夫医師の経歴と実績
もう1名は、中京眼科および先進会眼科に所属する市川一夫医師です。中京眼科(名古屋)を拠点としながら、先進会眼科の東京・大阪・福岡など全国複数拠点でもICL手術を提供しており、地域の枠を超えた高度な屈折矯正医療の普及に努めてきた医師として評価されています。
専門クリニックとして運営されているため、ICL・レーシックなどの屈折矯正手術に特化した検査体制や術後フォローが充実しているのが特徴。近視・乱視の度数が強いケースや、コンタクトレンズで長年悩んできた患者の受け皿としても多くの実績を持ちます。また、中国大連医科大学・ハルピン医科大学付属病院の客員教授も務めており、国際的な学術活動でも高い評価を得ています。
認定医・執刀医としての症例数と執刀時間の比較
2名のシニアエキスパートインストラクターを比較すると、以下のようなイメージになります。
| 項目 | 東京エリア | 関西・中京エリア |
|---|---|---|
| 執刀医名 | 清水 公也 医師 | 市川 一夫 医師 |
| 主な所属 | 山王病院アイセンター | 中京眼科・先進会眼科 |
| 主な診療エリア | 東京・関東 | 名古屋・大阪・東京ほか全国 |
| 施設形態 | 総合病院内アイセンター | 専門眼科クリニック |
| 得意な症例 | 複合的な眼疾患も含む幅広い対応 | 屈折矯正に特化した高度対応 |
| 国際活動 | 国内外の学会・講習会登壇 | 中国大連・ハルピン医科大客員教授ほか |
どちらの医師も、ICL手術の普及・教育において国内最高水準の実績を持ちます。居住エリアやライフスタイルに合わせて選ぶのが現実的です。
ICL手術の質を高める”エキスパート”の技術力とは
執刀医がクリニックで担う役割と患者の見え方への影響
ICL手術は一見シンプルに見えますが、実際には眼の形状・サイズの個人差に対応した高度な判断が求められます。眼内レンズのサイズ選定(Vault計算)、挿入角度、切開位置など、数ミリ単位の判断が術後の視力や見え方のクオリティを大きく左右します。
清水医師・市川医師のようなシニアエキスパートインストラクターは、こうした細かな術中判断を数千例の経験から体得しています。「見え方がクリアになった」「夜間のハロー・グレアが少ない」といった術後の好結果は、執刀医の技術力と経験値に依存する部分が大きいのです。
術後トラブルを減らす検査・矯正プランニングのポイント
ICL手術の成功は、術前の適応検査と矯正プランニングの精度で決まると言っても過言ではありません。主なチェックポイントは次のとおりです。
- 角膜形状解析:角膜の曲率・厚みを精密に測定し、ICLが適切かを判断
- 前眼部OCT検査:眼内の空間(前房深度)を計測してレンズサイズを最適化
- 瞳孔径測定:明所・暗所での瞳孔の大きさを測り、ハロー・グレアリスクを予測
- 眼圧・水晶体チェック:緑内障リスクや白内障の有無を事前に確認
経験豊富な執刀医は、こうした検査データを総合的に読み取り、患者一人ひとりに最適なプランを組み立てます。これが「術後トラブルの少なさ」に直結します。
ICLとレーシックの比較―近視・乱視治療の選択基準
ICLとレーシックはどちらも近視・乱視を矯正する屈折矯正手術ですが、アプローチが根本的に異なります。
| 比較項目 | ICL | レーシック |
|---|---|---|
| 手術方法 | 眼内にレンズを挿入 | レーザーで角膜を削る |
| 可逆性 | あり(レンズ摘出可能) | なし(不可逆) |
| 対応できる近視度数 | 強度近視(-3D〜-18D程度)に対応 | 中等度近視まで(角膜厚に依存) |
| 角膜への影響 | ほぼなし | 角膜を削るため影響あり |
| 術後ドライアイ | 比較的少ない | 一時的に起こりやすい |
| 費用 | 高め(両眼60〜80万円前後) | ICLより低め |
強度近視や角膜が薄い方、ドライアイが気になる方はICLが向いている場合が多く、逆に費用を抑えたい方や軽度〜中等度近視の方はレーシックも選択肢に入ります。どちらが適切かは、術前の適応検査で判断されます。
地域別ICLエキスパートインストラクター在籍クリニック一覧(全国まとめ)
東京・神奈川エリア
東京・神奈川エリアはICL対応施設が最も多い地域です。シニアエキスパートインストラクターの清水公也医師が在籍する山王病院アイセンター(東京都港区)のほか、市川一夫医師が先進会眼科の東京拠点でも診療を行っています。品川・新宿・渋谷といった主要ターミナル駅周辺にもエキスパートインストラクター(シニアなし)が在籍するクリニックが複数点在しており、仕事帰りや週末の受診がしやすい環境です。
クリニックを選ぶ際は、エキスパートインストラクターの在籍の有無と、実際にその医師が自分の執刀を担当するかを確認することが大切です。エキスパート在籍クリニックでも、担当医がエキスパートでないケースがあります。
大阪・関西・名古屋(中京)エリア
大阪・京都・神戸の関西圏と名古屋を含む中京エリアでは、シニアエキスパートインストラクターの市川一夫医師が在籍する中京眼科(名古屋)・先進会眼科大阪院がとくに有名です。大阪梅田や名古屋駅周辺にもICL対応クリニックが増えており、エキスパートインストラクター(非シニア)が在籍する施設も複数あります。
関西在住の方にとっては通院のしやすさが重要なポイント。術後の定期検診も含めると、計4〜5回程度の通院が必要になるため、自宅・職場からの距離感は必ず確認しておきましょう。
福岡ほか九州を含む全国主要都市
福岡・博多エリアにも眼科クリニックでのICL対応施設が増えています。市川一夫医師が在籍する先進会眼科は福岡にも拠点を持ち、九州在住の方でもシニアエキスパートインストラクターによる診療にアクセスしやすい環境が整っています。その他の主要都市でも、エキスパートインストラクター(非シニア)在籍施設が中心ですが、学会認定の水準を満たした執刀医が在籍するクリニックを選べば、一定の安心感を得られます。
札幌・仙台・広島・岡山・沖縄などその他の主要都市でもICL対応施設は年々拡大中です。施設が少ない地域では、大都市のクリニックへの「遠征受診」を選ぶ患者も少なくありません。
病院か専門クリニックか?選び方のチェックポイント
施設選びで迷いがちな「総合病院 vs. 専門クリニック」の違いをまとめます。
| チェック項目 | 総合病院 | 専門クリニック |
|---|---|---|
| 他科連携 | ◎(内科・神経科等と連携しやすい) | △(提携が必要な場合あり) |
| ICL手術件数 | △〜◯(施設による) | ◯〜◎(特化型は件数多い) |
| 待ち時間 | 長い傾向 | 比較的短い傾向 |
| 費用 | 保険診療も組み合わせやすい | ICL自由診療に特化 |
| アクセス | 郊外立地も多い | 都市部・駅近が多い |
一般的な目安として、他の眼疾患も抱えている方や全身疾患がある方は総合病院の方が安心感が高く、純粋な近視・乱視矯正が目的の場合は専門クリニックが使いやすいと言えます。
シニアエキスパートに相談するメリットと費用・時間の目安
診療から手術・術後フォローまでの流れと所要時間
ICL手術は、カウンセリングから術後安定まで大まかに以下の流れで進みます。
- 無料カウンセリング:希望・不安を相談、大まかな適応判断(30〜60分)
- 術前適応検査:精密な眼の計測(1〜2時間、コンタクト装用停止期間が必要)
- 手術当日:点眼麻酔で両眼合わせて15〜30分程度
- 術翌日検診:視力・眼圧確認(必須)
- 術後1週間・1ヶ月・3ヶ月・1年検診:見え方の安定確認
手術自体は短時間ですが、検査・準備から術後安定まで3ヶ月〜半年程度のフォロー期間を見込むのが一般的です。
手術費用・アフターケア費用の内訳と無料相談制度
ICL手術の費用は自由診療のため施設によって差があります。一般的な目安は以下のとおりです。
| 費用項目 | 目安 |
|---|---|
| 術前検査費用 | 1〜3万円(無料の場合あり) |
| 手術費用(両眼) | 50〜80万円前後 |
| 乱視矯正対応レンズ(トーリックICL) | 追加5〜10万円程度 |
| 術後検診・点眼薬 | 施設によって手術費に含まれる場合あり |
| アフターケアパック | 追加5万円前後〜(施設による) |
多くのクリニックでは無料カウンセリングを設けており、費用の詳細や適応の目安について気軽に相談できます。医療ローンに対応している施設も多いため、一括払いが難しい方も選択肢が広がります。
視力回復と見え方安定を左右するアフターケアの重要性
ICL手術は手術が終わってからがスタートとも言えます。術後の定期検診では、眼圧・Vault(レンズと水晶体の距離)・視力の3点を継続的に確認します。
Vaultが低すぎると白内障リスク、高すぎると眼圧上昇リスクがあるため、定期的なモニタリングは欠かせません。とくに術後1年間は安定を見守る重要な時期。清水医師・市川医師のようなシニアエキスパート在籍施設では、術後の見え方に関する相談にも丁寧に対応してくれることが多く、「なんとなく見え方が違う」といった細かな変化も見逃さない体制が整っています。
よくあるQ&A:適応検査・術後ケア・休診日ほか
ICLが適応しない症例と他の屈折矯正治療
ICLは万能ではなく、以下のようなケースでは適応外と判断されることがあります。
- 前房が浅すぎる:レンズを挿入するスペースが不十分
- 角膜内皮細胞密度が低い:手術によるさらなる減少リスクがある
- 白内障・緑内障・ぶどう膜炎などの眼疾患がある場合
- 年齢が若すぎる(18歳未満)または屈折度数が安定していない
- 妊娠中・授乳中:点眼薬の影響を考慮して推奨されないケースあり
適応外の場合の代替治療としては、レーシック・LASEK・PRKなどが選択肢になります。術前検査で丁寧に確認されるため、「私は受けられるの?」という不安がある方はまず無料カウンセリングで相談してみるのがおすすめです。
術後いつからスポーツ・仕事が可能?生活上の注意点
| 活動内容 | 目安の再開時期 |
|---|---|
| デスクワーク(PC・スマホ) | 翌日〜数日後(目の疲れに注意) |
| 軽い運動(ウォーキングなど) | 1週間程度 |
| コンタクトスポーツ(格闘技・球技) | 1ヶ月以上 |
| 水泳・温泉・サウナ | 1ヶ月程度(感染リスク回避) |
| アイメイク | 1〜2週間 |
| 飲酒 | 数日〜1週間(血流促進を避けるため) |
個人差があるため、担当医の指示を最優先にしましょう。術後は眼を強くこすらないことが特に重要で、かゆみや違和感があっても手で触れないよう注意が必要です。
予約方法と土曜・祝日診療スケジュール
多くのICL対応クリニックでは、ウェブ予約・LINEでの問い合わせに対応しています。土曜・日曜診療を行っている施設も増えており、平日に仕事や学校がある方にとっても通院しやすい環境が整ってきました。ただし、手術日の設定や混雑状況は施設によって異なるため、希望する日程で受けたい場合は早めの予約が安心です。
祝日は休診の施設が多い傾向がありますが、年末年始・お盆以外は土曜手術を対応している施設もあります。予約時に術後検診の日程もあわせて確認しておくとスムーズです。
まとめ:ICLシニアエキスパートインストラクターを選ぶべき理由
ICL手術を検討するとき、「どのクリニックに行くか」と同じかそれ以上に大切なのが「誰に執刀してもらうか」という視点です。
国内2名のICLシニアエキスパートインストラクター——清水公也医師(山王病院アイセンター)と市川一夫医師(中京眼科・先進会眼科)——は、数千例を超える手術経験・後進指導実績・国際的な学術活動をすべて兼ね備えた、最高峰の認定医です。この称号は、単に「上手な医師」を示すだけでなく、ICL手術全体の品質向上に貢献し続けている医師であることの証明でもあります。
医師のライセンスや経験は、術後の視力・見え方の安定に直結します。「費用が安いから」「家から近いから」だけで選ぶのではなく、執刀医の資格・症例数・在籍状況を必ず確認するようにしましょう。
クリニックを選ぶ際のチェックリストとして、以下を活用してみてください。
- [ ] 執刀医がエキスパートインストラクター(またはシニア)の認定を保有しているか
- [ ] 自分の手術を担当するのが実際に認定医かどうか確認したか
- [ ] 術前の精密検査(前眼部OCT・角膜形状解析等)が充実しているか
- [ ] 術後フォローの体制・期間・費用が明確か
- [ ] 無料カウンセリングで疑問・不安を話しやすい雰囲気か
- [ ] 緊急時の対応窓口が整っているか
見え方は日常生活のすべてに影響します。「一生に一度の手術」だからこそ、情報収集と施設選びに十分な時間をかけてください。まずは無料カウンセリングや適応検査の予約から、第一歩を踏み出してみましょう。
