コンタクトレンズをつけていると「なんだか頭が重い」「夕方になるとこめかみが痛む」。そんな経験はありませんか。見え方に関わるものだからこそ、原因はレンズなのか、それとも別の不調なのかと不安になりますよね。
コンタクト装用中の頭痛には、合わない度数や左右のレンズの取り違え、乾燥、目の使いすぎなどが関わる場合があります。ただし、「コンタクトをつけているときに痛い=コンタクトだけが原因」とは限りません。 装用をいったん中止し、症状に応じた受診を考えることが大切です。
この記事では、考えられる原因と最初の対応、眼科で確認したいこと、日常でできる工夫を解説します。突然の激しい頭痛や、ろれつが回らない・片側の手足に力が入らないなどの症状がある場合は、記事を読み進めず119番へ連絡してください。
頭痛と一緒に出ている症状から、受診の緊急性を確認する
「少し休めば治るかな」と迷ったとき、まず確認したいのは、痛みが急に始まったか、普段と違うか、目や体にほかの異常がないかです。コンタクトの度数や汚れを調べる前に、医療機関での対応を優先すべき場合があります。
| 症状の例 | 優先する対応 | 避けたい判断 |
|---|---|---|
| 突然の激しい頭痛、ろれつが回らない、突然片側の手足に力が入らない | 119番へ連絡する | コンタクトを外せば治るはず、と待つ |
| 強い目の痛み・充血・急な見えにくさを伴う頭痛、特に吐き気もある | 直ちに眼科へ連絡し、速やかに受診。時間外は救急医療機関へ相談する | 夜だから翌朝まで我慢する |
| 装用のたびに頭痛が出る、外しても続く、仕事や読書に支障がある | 使用を控え、早めに眼科や医療機関で相談する | 次の定期検査まで繰り返し使う |
この表は病名を判断するものではありません。上段の症状がなくても、普段と違う頭痛や悪化する痛みがあれば、自己判断で様子を見続けないでください。
参考サイト:厚生労働省「こんな時は迷わず119へ」
参考サイト:日本頭痛学会「頭痛とは・頭痛がおこったら」
強い目の痛みや見え方の変化は、単なる疲れと決めつけない
頭痛に加えて目の奥が強く痛む、目が赤い、急に視界がかすむといった場合には、レンズの不具合以外の目の病気も考える必要があります。例えば、急性緑内障発作では眼圧が急に上がり、見え方の異常や強い頭痛、目の痛みが現れることがあります。
「以前もコンタクトで疲れたから、今回も同じだろう」と判断しないことが大切です。レンズを外すことだけで解決するとは限りません。無理なく外せる場合は装用を中止し、外れない場合は何度も触らず、そのことも医療機関へ伝えてください。救急要請が必要な症状では、レンズを外す作業より連絡を優先します。
参考サイト:日本眼科医会「よくわかる緑内障―診断と治療―」
参考サイト:日本眼科医会「コンタクトレンズ関連情報」
コンタクトレンズ装用中に頭痛が起こる主な原因
目の疲れは、目の中だけの不快感にとどまらず、頭痛や肩こりなどと一緒に現れることがあります。度数、近くを見る作業、乾燥など、いくつかの条件が重なっていることもあります。それぞれを分けて考えると、受診時に何を伝えればよいか整理しやすくなります。
参考サイト:日本眼科学会「目が疲れやすい(眼精疲労)」
度数が合わない・普段見る距離に合っていない
処方された当時は快適でも、その後の目の変化によって、レンズの度数が合わなくなることがあります。合わない度数のまま見続ける負担が、頭痛につながる場合があります。
また、遠くがよく見えても、長時間のパソコン作業や読書まで楽にできるとは限りません。「視力表がはっきり見えるか」だけでなく、「仕事中につらくないか」も大切な情報です。新しい度数に替えた後、または細かい文字を見る作業が増えた後から頭痛が出るようになった場合は、その変化を伝えましょう。
頭痛があるからといって、レンズを一段弱くしたり、逆に見えにくさを補おうと強くしたりするのは避けてください。数値の見方はコンタクトレンズの度数とはでも説明していますが、適した度数は検査で確認する必要があります。
参考サイト:アキュビュー「コンタクトレンズ装用時に頭痛がする場合があるのはなぜ?」
左右の取り違えや、両目での見え方の問題
左右で度数が違う人がレンズを逆につけると、それぞれの目に合わない矯正になります。いつもと違って見えるときは、箱やケースの左右表示と、処方された情報を確認してみましょう。ただし、確認のために痛みを我慢して装用を続ける必要はありません。
「片目で見ると少し楽」という変化は、受診時に役立つ情報です。ただ、それだけで度数の問題とは断定できません。眼科では、必要に応じて両目で見る働きなども含めて調べます。左右のレンズを何度も入れ替えたり、片目だけで使い続けたりして解決しようとしないでください。
左右が分からなくなったレンズは、見た目や勘だけで決めず眼科へ相談します。1dayレンズは一度外すと再装用できないため、外したものを入れ替えて試す使い方も避けましょう。
参考サイト:アキュビュー「コンタクトレンズ装用時に頭痛がする場合があるのはなぜ?」
参考サイト:日本コンタクトレンズ協会「コンタクトレンズの使用方法について」
ドライアイや画面作業による目の疲れ
空調の風が当たる席で過ごしたり、スマホやパソコンを見続けたりすると、目の乾燥や疲れが気になることがあります。ドライアイは「乾く」だけでなく、ゴロゴロする、見えにくい、疲れるといった形で現れることもあります。
こうした状態と目を使う作業が重なると、眼精疲労の症状として頭痛を伴う場合があります。夕方の頭痛に加えて、かすみやしょぼしょぼ感があるなら、その組み合わせを伝えるとよいでしょう。
一方で、頭痛だけを根拠にドライアイとは判断できません。目薬で一時的に楽になっても、原因がすべて分かったわけではない点に注意してください。ぼやけやレンズの曇りも気になる場合は、コンタクトレンズが曇る・ぼやける原因も参考になります。
参考サイト:日本眼科医会「ドライアイに悩む方へ」
参考サイト:日本眼科学会「眼精疲労(目の疲れ)」
長時間装用や、レンズの状態も見直す
朝から夜までつけ続ける生活では、装用時間だけでなく、その間の作業や乾燥なども確認したいところです。「仕事の後から痛む」「帰宅しても外さず、そのままスマホを見ている」といった普段の流れを振り返ってみてください。
レンズの汚れ、傷、ずれが気になる場合も、そのまま使い続けないことが大切です。ただし、これらが見つかったからといって頭痛の原因が確定するわけではありません。目そのものの状態も含めて確認してもらいます。
装用時間には個人差があり、ソフト・ハードという種類だけで「何時間までは大丈夫」とは決められません。医師から指示された時間内でも、痛みや見え方の異常があれば中止してください。
参考サイト:日本コンタクトレンズ協会「コンタクトレンズの使用方法について」
頭痛が出たとき、まずできる対応
緊急性の高い症状がない場合も、装用したまま仕事を終わらせようと無理をするのは避けましょう。まず使用を控え、頭痛と目の状態を医療機関へ伝えられるようにします。
- 運転や画面作業を中断し、安全な場所へ移る
- 手を洗って清潔にしてから、教わった方法でレンズを外す
- 必要に応じて普段のメガネへ替え、目を使う作業を休む
- 頭痛や目の異常が続くかを確認し、症状に応じて医療機関へ連絡する
メガネに替えても見え方が不安定な場合や頭痛が強い場合は、運転を再開しないでください。また、外れないレンズを無理につまんだり、目をこすり続けたりするのは避けます。
目の痛み、充血、視力低下などがある場合は、休憩だけで済ませず早急に眼科へ相談してください。外した後に症状が和らいだことも診察の手がかりにはなりますが、使い続けてよいという判断にはなりません。
参考サイト:日本眼科医会「コンタクトレンズ関連情報」
外すと楽になる場合も、つけ直して確かめない
「外したら軽くなったから、もう一度つけてみよう」と試す必要はありません。装用を繰り返すたびに頭痛が出る場合は、その経過自体を眼科へ伝えましょう。原因を調べるために、わざとつらい状態を再現しなくても大丈夫です。
症状のある目には再装用せず、再開の時期を相談してください。1dayの再使用はできず、再使用タイプも適切なケアが必要です。新品への交換や洗浄だけで、頭痛や目のトラブルへの対応が済むわけではありません。
眼科で相談したいことと、受診の準備
診察で「コンタクトをつけると頭が痛い」とだけ話すより、始まった時期や困る場面が分かると、原因を確認するための情報になります。すべてを正確に記録する必要はありません。思い出せる範囲で、普段の変化を整理してみましょう。
| 伝える項目 | 具体的な例 |
|---|---|
| 頭痛の始まり方・続き方 | 急に始まったか、装用後どのくらいで出るか、毎回か |
| 見え方と目の症状 | 遠く・手元の違い、片目だけのぼやけ、乾き、痛み、充血 |
| 装用を中止した後の変化 | 外しても続くか、普段のメガネではどうか |
| 最近変えたこと | 製品・度数・ケア用品、画面作業や装用時間、服用中の薬 |
痛む場所や強さ、吐き気・発熱などの症状も伝えてください。頭痛が強いときに記録をそろえる必要はなく、まず受診や救急連絡を優先します。
レンズ情報だけでなく、普段のメガネや作業内容も伝える
受診時には、左右の度数や製品名が分かる箱・処方情報、普段使っているメガネがあると、使用状況を説明しやすくなります。「午前はパソコン、午後は運転が多い」など、生活の中でよく見る距離も伝えましょう。
眼科では、単に度数を変えるかどうかだけでなく、目に病気がないか、レンズが合っているか、どのような使い方が必要かを検討します。新しい製品に替えてからの頭痛を「慣れていないだけ」と片づけず、交換前後の違いを相談してください。
参考サイト:日本眼科医会「コンタクトレンズ関連情報」
外しても続く頭痛は、目以外の原因も確認する
頭痛には片頭痛や緊張型頭痛などもあり、コンタクトを使用している人にも起こります。眼科で目に問題がないと言われても、それで頭痛の原因がすべて否定されたわけではありません。
装用しない日にも痛む、頭痛を繰り返して生活に支障があるときは、かかりつけ医や脳神経内科・頭痛外来などへ相談しましょう。どこを受診すればよいか迷う場合は、症状と眼科での検査結果を伝えて相談できます。
頭痛薬を飲んで仕事を続けられたとしても、レンズが適切か、目に異常がないかは別の問題です。急な強い頭痛では、薬の効き目を待って受診を遅らせないでください。
参考サイト:日本頭痛学会「頭痛とは・頭痛がおこったら」
目の負担を減らすために、日常の使い方を整える
原因に応じた検査や調整とあわせて、普段の装用方法や環境も見直しましょう。「度数の確認」「装用時間の管理」「乾燥対策」は、いずれも大切な視点です。ただし、生活上の工夫だけで、すべての頭痛が治るわけではありません。
定期検査と、メガネへの切り替えを習慣にする
見え方が落ち着いた後も、眼科医から指示された定期検査を受けましょう。「前と同じ製品だから」「遠くが見えるから」と自己判断せず、使っていて疲れる場面があれば、その都度伝えることが大切です。
仕事や外出が終わったらメガネへ替えるなど、必要以上に長く装用しない生活を考えてみてください。メガネを携帯しておくと、外したいのに見えなくて困る場面も減らせます。時間の考え方はコンタクトレンズは何時間まで使えるかで詳しく説明しています。
参考サイト:日本コンタクトレンズ協会「コンタクトレンズの使用方法について」
画面を見る時間と、空調・乾燥を見直す
夕方になると目がしょぼしょぼする人は、作業の区切り方や席の環境も振り返ってみましょう。眼精疲労への対応では、原因を確認したうえで、目を使い続ける状況を減らすことが重要です。
- パソコンやスマホの作業中は、こまめに画面から目を離して休憩する
- 小さな文字を無理に読み続けず、読みやすい表示サイズにする
- エアコンの風が目に直接当たる場合は、風向きや座る位置を変える
- 室内が乾燥している場合は、加湿などで環境を整える
休憩中もスマホを見続けているなら、画面を見ない時間をつくってみてください。こうした工夫をしても繰り返す症状は、環境だけの問題と考えず相談しましょう。
参考サイト:日本眼科学会「眼精疲労(目の疲れ)」
参考サイト:日本眼科医会「ドライアイに悩む方へ」
目薬は、使用条件を確認してから使う
乾きが気になるからといって、手元にある目薬を何でも使うのは避けましょう。レンズをつけたまま使えるか、回数や量はどうかを添付文書で確認し、医師・薬剤師に相談してください。処方されている目薬は指示に従います。
目薬は頭痛の原因を確かめるための道具ではありません。「しみなくなった」「少し潤った」だけで装用を再開せず、症状があるときは使用を控えることが基本です。保存液や洗浄液を目薬の代わりに使わないことにも注意してください。
参考サイト:日本眼科用剤協会「目薬の使い方」
まとめ
コンタクトレンズ装用中の頭痛には、合わない度数、左右の取り違え、乾燥や画面作業による目の疲れなどが関わる場合があります。ただし、装用中に起きた頭痛でも、目以外の原因が隠れていることがあり、レンズだけの問題とは決めつけられません。
まず使用を控え、繰り返す症状は眼科へ相談しましょう。突然の激しい頭痛や手足の麻痺などは119番へ、強い目の痛みや急な見え方の変化を伴う場合も速やかな受診が必要です。
度数を自己変更したり、痛みを我慢して慣れようとしたりせず、普段の作業や装用時間も伝えてください。検査・調整とあわせて、メガネへの切り替えや休憩、乾燥対策を取り入れることが大切です。