コンタクトレンズで近くが見えない原因は?老眼・度数と受診の目安

「コンタクトレンズをつけているのに、スマホの文字が読みにくい」「遠くは見えるのに、手元にピントが合わない」。そんな変化に戸惑っていませんか。いつもと同じレンズを使っていると、疲れのせいか、度数が変わったのか、判断に迷いますよね。

コンタクト装用中に近くが見えにくくなる原因には、度数の不一致や年齢によるピント調節力の変化などがあります。近くが見えないからといって、度数を強くすればよいわけではありません。 眼科で原因を確認し、手元用メガネの併用や遠近両用レンズなど、自分の生活に合う方法を選ぶことが大切です。

この記事では、遠くは見えるのに近くが見えない理由、受診時に伝えたいこと、見え方を補う選択肢と日常の工夫を解説します。なお、急な視力低下や痛み・充血がある場合は、レンズを外し、原因を調べ続けず早急に眼科へ相談してください。

コンタクトレンズで近くが見えない主な原因

近くを見るときには、レンズによる矯正に加え、目自身がピントを合わせる働きも必要です。度数だけでなく、この働きや目の表面の状態も見え方に影響します。まずは、考えられる理由を分けて見ていきましょう。

近視用レンズの度数が強すぎる・今の目に合っていない

コンタクトレンズを処方してもらった当時は合っていても、その後の目の変化によって度数が合わなくなることがあります。例えば、近視が以前より弱くなったのに同じ度数を使い続けると、必要以上に強く矯正した状態になる場合があります。

このような「過矯正」では、遠くは見えていても近くが見えにくくなることがあります。新しいレンズへ替えた後に手元がつらくなった場合も、度数や製品の変更を眼科へ伝えてください。

ただし、遠くがよく見えるというだけで過矯正とは判断できません。近くを見るための調節力が低下している可能性もあり、原因が重なることもあります。「一段弱くすればよい」と自分で数値を決めず、実際の見え方と目の状態を調べてもらいましょう。数値の意味は、コンタクトレンズの度数とはでも説明しています。

参考サイト:アキュビュー「コンタクトレンズをつけると近くが見えないのは老眼のせい?」

老眼で、手元へピントを合わせる力が変化している

目の中の水晶体は、厚さを変えて遠くや近くにピントを合わせています。年齢とともに水晶体が硬くなり、近くへピントを合わせにくくなるのが老眼(老視)です。40代ごろから手元の不便さに気づくことが多いものの、自覚する時期や困る場面には違いがあります。

スマホを以前より離したくなる、暗い場所で細かい文字が読みにくい、手元から遠くへ視線を移すとピントが合うまで時間がかかる、といった変化が手がかりになります。コンタクトを使っている人にも、近視の人にも起こります。

「まだ老眼には早いはず」と我慢する必要はありません。一方で、年齢だけを理由に老眼と決めつけるのも避けましょう。眼科では、ほかの病気がないかを確認したうえで、近くを見る力をどう補うか検討します。

参考サイト:日本眼科医会「40代で始まる目の老化」

コンタクトを外すと手元が見えるのはなぜ?

近視の人は、裸眼では比較的近い距離にピントが合っています。コンタクトで遠くが見えるように矯正すると、今度は目自身の調節を使って手元にピントを合わせます。そのため、調節力が低下すると「つけていると読みにくいのに、外すと読める」と感じることがあります。

つまり、外して手元が見えるからといって、老眼ではないとはいえません。また、それだけでレンズが不良品とも判断できません。裸眼で見える距離は近視の程度によって異なるので、受診時には「外すと何が、どのくらいの距離で見えるか」まで伝えるとよいでしょう。

参考サイト:日本眼科医会「メガネのかしこい使い方:老眼はいつから起こりますか?」

乱視や乾燥などが、手元の見え方に重なっている

文字の輪郭がにじんだり、重なって見えたりするときには、乱視の矯正が十分でない可能性もあります。乱視によるぼやけは近くだけとは限らず、遠くの文字にも出ることがあります。ただし、「二重に見える=乱視」とは限りません。片目ずつと両目での見え方を、診察時に伝えてください。

また、画面を長く見続ける生活やコンタクトの装用は、ドライアイの悪化要因になります。乾く感じが目立たなくても、見えづらさや疲れとして現れることがあります。夕方だけつらい、まばたきの前後で変わるなどの情報も、相談の手がかりです。

近くに限らず視界全体が白っぽい、レンズが曇るといった場合は、コンタクトレンズが曇る・ぼやける原因も参考にしてください。手元の見えにくさと、汚れや乾燥による不安定な見え方は、同時に起きることもあります。

参考サイト:アキュビュー「乱視でコンタクトレンズが合わない?」
参考サイト:日本眼科医会「ドライアイに悩む方へ」

近くが見えにくいときは、何を確認して眼科へ伝える?

診察室では「近くが見えません」とだけ伝えるより、いつ、どんな作業で困るかを具体的に話すと、生活に合う調整を相談しやすくなります。次の表は自己診断のためではなく、普段の見え方を整理するために使ってください。

気づいた変化伝えておきたいこと決めつけないでほしいこと
遠くは見えるがスマホや本が読みにくい困る文字の大きさ、目からの距離、いつからか遠くが見えるなら度数は適切、とは限らない
コンタクトを外すと手元が見える装用中・裸眼・普段のメガネでの違い外して見えるから老眼ではない、とは限らない
夕方や画面作業中に読みにくい作業時間、乾きや疲れ、休憩前後の変化疲れや乾燥だけが原因、とは限らない
片目だけ違う・文字が重なって見える左右差、両目と片目の違い、急な変化か自分で乱視と決めてレンズを買い替えない
製品・度数を変えてからつらい以前と現在の製品名・度数、変更した時期慣れるまで我慢すればよい、とは限らない

急な変化や痛み・充血があるときは、比較や記録をそろえるより受診を優先してください。見えにくい状態で運転や危険な作業を続けないことも大切です。

見えにくさが出たときの対応と、受診の準備

装用中に見え方の異常を感じたら、無理に読み続けず、いったんレンズを外して眼科へ相談しましょう。特に急に見えにくくなった場合や痛み・充血を伴う場合は、早急な受診が必要です。ゆっくりした変化でも、仕事や読書に支障が出ていれば、次の定期検査まで我慢する必要はありません。

  1. 安全な場所で作業を中断し、手を洗って清潔にしてからレンズを外す
  2. 使用を控え、急な変化や痛み・充血の有無を眼科へ伝える
  3. 余裕があれば、困った距離・時間帯・左右差をメモする
  4. 使用中の製品・度数が分かる箱や情報、普段のメガネを持って受診する

遠くの視力だけでなく、手元で必要な見え方やレンズのフィット、目の健康状態も確認してもらいます。受診前にコンタクトをつけて行くべきか迷う場合は、眼科へ問い合わせてください。異常があるのに、検査のためと思って再装用する必要はありません。

参考サイト:日本眼科医会「コンタクトレンズ関連情報」
参考サイト:日本コンタクトレンズ協会「コンタクトレンズの使用方法について」

度数を自己変更せず、生活で必要な距離を相談する

「もっと強ければ読めるはず」と近視用レンズを強くすると、かえって手元がつらくなることがあります。逆に、近くを優先して弱くしすぎると、遠くの見え方に支障が出る場合があります。数値を上下させること自体ではなく、近視・遠視・乱視や調節力を踏まえて合わせることが重要です。

眼科では、運転、パソコン、スマホ、読書など、普段よく見る距離を伝えましょう。「パソコンは見えるが、机上の伝票が読みにくい」「遠くを見る仕事と細かい作業の両方がある」といった説明でも構いません。家族のレンズを試す、左右を入れ替えるといった方法では、適切な度数は判断できません。

参考サイト:メニコン「コンタクトレンズの度数の見方を確認!」

老眼と分かったら、遠近両用レンズと手元用メガネを比較する

眼科で老眼による見えにくさと分かった場合も、コンタクトをすべて諦めなければならないわけではありません。元の使い方を活かしながらメガネを加える方法や、レンズの種類を変える方法があります。かけ外しのしやすさだけでなく、必要な距離が無理なく見えるかを比べましょう。

選択肢使い方のイメージ確認したい点
遠く用コンタクト+手元用メガネ普段はコンタクト、読書や細かい作業時にメガネを加えるコンタクト装用中の目に合う度数と作業距離
遠近両用コンタクト1枚のレンズに組み込まれた複数の度数で、遠くと近くを補う遠く・手元のバランス、にじみ、装用感
作業に合うメガネへ切り替えるパソコンや読書の時間は、必要な距離に合わせたメガネを使う作業用メガネのまま遠くを見る際の制約、使い分け

どれが常に優れているというものではありません。近くの細かい文字を長く読む人と、遠くと手元を頻繁に見比べる人では、重視したい点が変わります。費用も製品や組み合わせで異なるため、見え方を確認したうえで継続しやすさを相談しましょう。

手元用メガネは、コンタクトをつけた状態に合わせる

遠く用のコンタクトの上から、近くを見るときだけ手元用メガネをかける方法があります。「コンタクトの上にメガネをかけてもよいの?」と不安に感じるかもしれませんが、眼科で合わせた組み合わせなら、老眼の矯正方法の一つです。

ここで大切なのは、裸眼で使うメガネとは条件が違うことです。今使っている近視用メガネや、市販の老眼鏡を何となく重ねればよいわけではありません。使用するコンタクトと、見たい物までの距離を伝えて合わせてもらってください。

近く専用のメガネをかけている間は、遠くがぼやけることがあります。手元作業を終えた後のかけ外しも含め、使い方を確認しましょう。メガネを併用することは、コンタクト選びの失敗ではなく、生活に合わせて見え方を補う方法です。

参考サイト:アキュビュー「老眼にはどんなコンタクトレンズが合う?」
参考サイト:日本眼科医会「メガネのかしこい使い方」

遠近両用コンタクトは、遠くと手元のバランスを試す

遠近両用コンタクトは、遠くを見る度数と近くを見る度数などを1枚に組み込んだレンズです。メガネをかけ外しする回数を減らせる可能性がありますが、すべての距離が単焦点レンズと同じようにくっきり見えるとは限りません。

製品によって設計が異なり、見え方に慣れる時間が必要なこともあります。近くを見るための補正を強くすると、にじみやぼやけが気になる場合もあるため、手元だけでなく遠くの見え方も確認します。ソフト・ハードのどちらが向くかも、老眼の程度だけでは決められません。

試すときには、スマホの文字、仕事で見る資料、室内の離れた表示など、実際に困っている場面を相談してください。見えにくいまま運転したり、「慣れるため」と痛みや充血を我慢したりしないことが大切です。合わないと感じたら、自己購入で切り替えるのではなく眼科で再調整を受けましょう。

参考サイト:アキュビュー「遠近両用コンタクトレンズの仕組みと年齢別の選び方」

目の負担を減らす、スマホ・照明・コンタクトの使い方

見え方を補う方法が決まったら、普段の環境も整えてみましょう。こうした工夫は、不適切な度数のまま使い続けるための対策でも、老眼を治す方法でもありません。必要な矯正とあわせて、無理なく作業を続けるために取り入れるものです。

文字サイズや明るさを整え、近くを見続けない

小さな文字を読むために画面へ顔を近づけすぎたり、暗い場所で目を凝らしたりしていませんか。文字を大きく表示し、無理のない姿勢で見られる環境をつくりましょう。手元だけを極端に明るくするのではなく、部屋全体との明るさの差や、画面への映り込みも見直します。

  • スマホやパソコンの文字サイズを、読みにくさを我慢しない大きさにする
  • 読書や細かい作業では、必要に応じて手元を照らす
  • 近くを見る作業の合間に画面や本から目を離し、休憩を入れる
  • まばたきを意識し、エアコンの風が目に直接当たらないようにする

休憩で一時的に楽になっても、毎日同じ見えにくさを繰り返すなら相談してください。若い人でも、度数や目の使い方、乾燥などを確認する必要があります。頭痛を伴う場合は、コンタクトレンズで頭痛がする原因でも、受診時に伝えたいことを整理しています。

参考サイト:日本眼科医会「40代で始まる目の老化:目が疲れない照明も大切」
参考サイト:日本眼科医会「ドライアイに悩む方へ」

見え方が落ち着いても、定期検査と適切なケアを続ける

レンズを調整して読めるようになった後も、目の状態は変化します。眼科医から指示された定期検査を受け、再び手元がつらくなったら、その時点で相談しましょう。「前回の検査からまだ短いから」と、次回まで待つ必要はありません。

装用時間・交換期間を守り、再使用レンズとケースは製品に合う方法でケアします。1dayレンズは、一度外したものを洗って再装用できません。近くを見るたびに外してつけ直す使い方にせず、メガネへの切り替えも含めて、日常で続けられる方法を選んでください。

参考サイト:日本コンタクトレンズ協会「コンタクトレンズの使用方法について」

まとめ

コンタクトレンズで遠くは見えるのに近くが見えないときは、度数の不一致や老眼による調節力の変化、乱視、乾燥などが関係している場合があります。外すと手元が見える人でも老眼は起こるため、見え方だけで原因を決めつけないことが大切です。

度数を自己変更せず、困る距離や時間帯、左右差を眼科へ伝えましょう。急な視力低下や痛み・充血があるときは装用を中止し、早急に受診してください。

老眼と分かった場合には、手元用メガネの併用や遠近両用コンタクトなどを比較できます。文字サイズ・照明・休憩も見直しながら、仕事や読書、運転など、自分の生活に必要な見え方を無理なく補う方法を選びましょう。

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