コンタクトレンズの洗浄液・保存液の違いは?種類と選び方をやさしく解説

「洗浄液と保存液は、名前が違うだけ?」「1本で全部できる液と、錠剤を入れるタイプでは何が違うの?」。コンタクトレンズのケア用品を買おうとして、売り場で迷ったことはありませんか。

結論からいうと、洗浄液と保存液は同じとは限りません。1本で洗浄・すすぎ・消毒・保存ができる製品もあれば、すすぎや保存だけに使う製品もあります。見た目や呼び名ではなく、パッケージの用途を確認することが大切です。

この記事では、それぞれの液の役割から、MPS・過酸化水素・ポビドンヨードの違い、選ぶ際に確認したいポイントまでを解説します。今使っているボトルを見ながら読むと、毎日のケアで気をつけることが整理しやすくなります。

洗浄液・保存液・消毒液は、役割がどう違う?

普段はまとめて「コンタクトの液」と呼んでいても、製品ができることはさまざまです。まずは役割を分けて考えると、どの液が必要なのかがわかりやすくなります。

洗浄は汚れを落とすこと、保存はレンズを保管すること

洗浄液は、レンズに付いた涙の成分や化粧品などの汚れを落とすために使います。保存液は、レンズを次に使うまで保管するためのものです。「保存できる」と書かれているだけで、消毒までできるとは限りません。

また、すすぎ液は、洗浄後の汚れや残った成分を洗い流すために使います。同じ液が複数の役割を持つこともありますが、それは製品にその用途が示されている場合です。

▼ケア用品の表示と主な役割

表示される用途何をするためのもの?確認したいこと
洗浄レンズに付いた汚れを落とすこすり洗いに使えるか、対象レンズは何か
すすぎ汚れや洗浄成分を流す装用前のすすぎにも使えるか
消毒レンズに付いた微生物に対処する必要な時間・液量・中和の有無
保存レンズを適切な状態で保管する保存できる期間、再装用前のケア

例えば、アルコンにはソフトレンズ用の「クリアケア リンス&ゴー」というすすぎ・保存液があります。同じブランド名でも、消毒を行う「エーオーセプト クリアケア」とは役割が違います。商品名が似ているときほど、用途まで読んで選びましょう。

参考サイト:アルコン「コンタクトレンズ洗浄液・ケア用品」

再使用するソフトレンズは、保存だけでなく消毒も必要

2weekや1monthなど、繰り返し使うソフトレンズには、洗浄・すすぎ・消毒・保存のケアが必要です。外したレンズを液に浸して形を保つだけでは、必要な消毒を済ませたことにはなりません。

「保存液に入れたから、明日そのまま使える」と考えず、使っている液で消毒もできるのか、別の消毒剤や錠剤が必要なのかを確認してください。一方、ワンデーは、洗ったり保存したりして再使用するレンズではありません。

レンズの種類で必要な手入れが変わるため、初めてケア用品をそろえるときは、レンズと一緒に適した製品を案内してもらうと迷いにくくなります。

参考サイト:日本コンタクトレンズ協会「ケア用品について」

ソフトレンズ用のケア用品は主に3タイプ

ソフトレンズの消毒には、MPS、過酸化水素、ポビドンヨードを使う方式があります。違うのは成分だけではありません。こすり洗いに使う液や専用ケース、装用できるまでの時間にも違いがあります。

▼ソフトレンズ用ケア用品の違い

タイプ特徴特に気をつけること
MPS1本で洗浄・すすぎ・消毒・保存ができるこすり洗いと、指定時間の消毒を省かない
過酸化水素消毒後に中和する方式専用ケース・中和方法を守り、中和前の液ですすがない
ポビドンヨードヨウ素による消毒と中和を行う方式錠剤など必要な部材をそろえ、時間と中和完了を確認する

この表は方式の違いを示したもので、「どれがすべての人に一番よいか」を決めるものではありません。実際にはレンズとの適合、成分への反応、毎日続けられる手順を合わせて考えます。

MPSは1本でケアできるが、つけるだけではない

MPSは「マルチパーパスソリューション」の略で、複数の工程に同じ液を使えるのが特徴です。洗浄用と保存用のボトルを別々に持ち替える必要がなく、道具をまとめやすい点が便利です。

ただし、1本で済むことと、手順を省けることは別です。レンズの両面をこすり洗いし、新しい液ですすいだ後、指定された時間以上つけて消毒します。

例えば「レニュー フレッシュ」では、両面をそれぞれ10秒間こすり洗いし、すすいでから4時間以上消毒・保存する手順です。「エピカ」は両面それぞれ20~30回のこすり洗いを案内しており、同じMPSでも説明が異なります。以前使っていた製品の手順を、そのまま引き継がないようにしましょう。

参考サイト:ボシュロム「レニュー フレッシュ使用説明書」
参考サイト:メニコン「エピカ」

過酸化水素タイプは、中和が終わるまで装用しない

過酸化水素を使う方式は、消毒した後に中和する必要があります。中和とは、レンズを装用できる状態にするために消毒成分を処理する工程です。時間を短縮したり、専用ケースを普通のケースに替えたりすると、正しく中和できないおそれがあります。

「エーオーセプト クリアケア」の場合、専用ディスポカップを使い、6時間以上置いて消毒・中和します。この製品の消毒液を、装用前のすすぎやこすり洗いに使ってはいけません。必要なすすぎなどには、指定に合うソフトレンズ用保存液を使います。

透明な液なのでMPSと混同しやすいですが、使い方は大きく違います。家族で異なる方式を使っている場合も、ボトルとケースの置き場所を分けるなど、取り違えを防ぎましょう。

参考サイト:アルコン「エーオーセプト クリアケアの正しい使い方」

ポビドンヨードタイプは、錠剤と液を正しく組み合わせる

ポビドンヨードは、ヨウ素を含む消毒成分です。「うがい薬にも入っている成分では?」と思うかもしれませんが、コンタクトにはレンズケア専用に作られた製品を使います。うがい薬や皮膚用消毒薬で代用することはできません。

「クリアデュー ハイドロ:ワンステップ」は、消毒・中和錠と溶解・すすぎ液を一緒に使う製品です。消毒・中和に4時間以上必要で、液の色が先に消えても、決められた時間より早く取り出さないようにします。

消毒成分は錠剤に含まれるため、ボトルの液だけを入れても、この方式の消毒を行ったことにはなりません。「錠剤がなくなったけれど、液が余っているから使える」と判断しないことが大切です。

参考サイト:オフテクス「クリアデュー ハイドロ:ワンステップ使用説明書」

自分に合う洗浄液・保存液を選ぶポイント

方式を知ったら、次は自分が使っているレンズと毎日の生活に当てはめて考えましょう。値段や「うるおい」といった表示だけで決めず、必要なケアを続けられるかまで確認することがポイントです。

▼購入前に確認したい5つのポイント

  • 使用中のレンズ名に対応しているか
  • 必要な洗浄・すすぎ・消毒・保存を行えるか
  • 専用ケースや中和錠など、別の部材が必要か
  • 決められた消毒・中和の時間を確保できるか
  • 開封後の使用期間内に使い切れる容量か

先にレンズとの適合を確かめ、そのうえで使いやすさや容量を比べると、値段だけで選んでしまうのを防ぎやすくなります。

まずは対象レンズと組み合わせを確認する

購入前に確認したいのは、ソフト用かハード用か、そして使用中のレンズ名に対応しているかです。カラコンでは、ケア用品側がソフトレンズ対応でも、一部の製品に使用できない場合があります。

レンズの箱や説明書に記載されたケア方法も確認し、ケア用品だけを見て判断しないようにしましょう。特に方式を変えるときは、液のほかに専用ケースや中和のための部材が必要かも確認します。

迷ったときは「2weekを使っています」だけでなく、具体的なレンズの商品名を伝えると、組み合わせを確認しやすくなります。

ハードレンズは、ハード用の洗浄保存液などを選ぶ

ハードレンズには、洗浄と保存を1本で行うタイプや、酵素を配合した洗浄保存液などがあります。ソフトレンズのMPSと同じものだと思って、入れ替えて使うことは避けてください。

また、タンパク除去剤は、使えば使うほどよいものではありません。必要性や使用頻度は、レンズと日常のケア用品の組み合わせによって変わります。すでにタンパク除去の機能を持つ用品を使っていることもあるため、自己判断で追加する前に確認しましょう。

具体的な洗い方は、ソフト・ハード別のコンタクトレンズの洗い方で紹介しています。

必要な消毒時間を、生活の中で確保できるか考える

夜遅くレンズを外し、翌朝早く出かける生活では、決められた消毒時間を取れるかが重要です。つけ置きタイプでも、待ち時間を省略することはできません。

一方、MPSはこすり洗いを毎回行う必要があります。「忙しい人には必ずこのタイプ」というより、自分が省かず続けられる工程かどうかを考えるほうが実用的です。

ケア自体を続けるのが難しい場合は、手順を簡略化して使うのではなく、ワンデーなど別の交換方式も含めて眼科で相談しましょう。

アレルギー歴や、使用中のしみる感じを見過ごさない

「低刺激」「天然由来」「防腐剤フリー」と書かれていても、すべての人に刺激が出ないとは限りません。過去にケア用品で充血やかゆみが出たことがある方、治療中の目の病気がある方は、購入前に相談してください。

特に、ヨウ素に対する過敏症の経験がある場合、ポビドンヨードを使う製品を自己判断で選ぶことは避けます。甲状腺疾患など持病がある場合も、製品の注意事項と医師の指示を確認しましょう。

装用時にしみる、痛い、充血するといった症状が出た場合は、使い続けずレンズを外します。液との相性だけでなく、中和不足や目の傷などでも起こるため、症状の原因を確かめることが大切です。

洗浄液・保存液を使うときのよくある疑問

毎日使っていると、液の余りや持ち運びなど、細かな疑問も出てきます。ここでは、使い方を間違えやすい場面を整理します。

古い液への継ぎ足しや、別製品との混合はできる?

一度ケアに使った液は、捨てて新しく入れ替えます。少し残っているからといって、新しい液を足して再利用しないでください。

また、次のような使い方も避けてください。

  • 異なるケア用品の液を混ぜる
  • 専用ケースや中和剤を別の製品のものに替える
  • 液を旅行用の空容器などに詰め替える

同じ「消毒液」でも、使い方や組み合わせが異なります。別容器への移し替えは汚染や取り違えの原因にもなるため、携帯用には製品として販売されている小容量タイプなどを用意しましょう。

開封後はいつまで使える?大容量を買えばお得?

箱やボトルに書かれた使用期限と、開封してから使える期間は分けて考えます。開封後の使用期間は製品により異なるので、「印字された期限までなら、開けた後も使える」とは限りません。

例えば、レニュー フレッシュでは開封後1か月を目安としています。使用頻度が少ない方は、大容量を買っても期間内に使い切れないことがあります。ボトル単価だけでなく、無理なく使い切れる量を選びましょう。

開封日をボトルに書き、未開封の予備と使いかけを区別して置くと、管理しやすくなります。

水道水・精製水・生理食塩水で代用してもよい?

再使用ソフトレンズのケアを、水道水や精製水だけで済ませることはできません。生理食塩水にも消毒作用はなく、専用の消毒システムを置き換えるものではありません。

レンズ用として表示されたすすぎ・保存液は、その製品で認められた工程に使います。「すすぎには使える」ことと「これだけで消毒できる」ことを混同しないようにしましょう。

手元に適切な用品がない場合は、メガネに切り替えるなどして、無理に装用を続けないことが基本です。詳しくは洗浄液がないときの対処法を確認してください。

まとめ

コンタクトレンズの洗浄液・保存液は、呼び名が似ていても、できることが同じとは限りません。洗浄・すすぎ・消毒・保存のうち、どの工程に使う製品なのかを確認することが、選ぶときの出発点です。

MPSは1本でケアできますが、こすり洗いと指定時間の消毒が必要です。過酸化水素やポビドンヨードは、専用のケースや部材を使い、中和まで正しく行います。以前の製品と同じ手順で使わないようにしましょう。

自分のレンズとの適合に加え、アレルギー歴、消毒時間、使い切れる容量も確認すると、続けやすい用品を選べます。使っていて痛みやしみる感じがあるときは、我慢せずに装用を中止し、眼科で相談してください。

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