「コンタクトレンズを使ってみたいけれど、種類が多くて違いがわからない」。1day、ソフト、乱視用などの言葉が並ぶと、どれか一つを選ぶのか迷ってしまいますよね。
実は、これらは同じ基準で分けた名前ではありません。ソフトは素材、1dayは交換のタイミング、乱視用は見え方を補う機能を表しています。たとえば「1dayの乱視用ソフトレンズ」のように、一つの製品が複数の特徴を持つのが普通です。
この記事では、コンタクトレンズの種類を比較表で整理しながら、それぞれの特徴と選ぶときの考え方を紹介します。最初から商品名を覚えようとせず、まずは違いを一つずつ見ていきましょう。
コンタクトレンズの種類は「何で分けるか」で整理するとわかりやすい
種類を調べるときは、素材・交換期間・機能・装用方法を分けて考えると混乱しにくくなります。同じ1dayでも素材や機能が異なり、同じ素材でも交換期間が異なるためです。
| 分類の基準 | 主な種類・確認する内容 |
|---|---|
| 素材・硬さ | ハード、ソフト。ソフトにはハイドロゲルとシリコーンハイドロゲルがある |
| 交換のタイミング | 1日使い捨て、2週間交換、1か月交換、長期使用タイプなど |
| 見え方を補う機能 | 近視用・遠視用・乱視用・遠近両用 |
| 見た目に関する機能 | 瞳の色や印象を変えるカラー・サークルレンズ |
| 装用方法 | 起きている間に使う終日装用、眼科医の許可のもとで行う連続装用 |
たとえば「乱視があるから1dayは使えない」ということではありません。乱視用の1dayもあります。ただし、希望する組み合わせに必要な度数や規格がそろっているかは製品によって異なります。分類がわかることと、自分に合う製品を決められることは別だと考えておきましょう。
素材で分けるとハードとソフトの2種類
ハードとソフトでは、レンズの硬さだけでなく、大きさや目の上での動き、つけたときの感覚が変わります。「硬いと古い」「柔らかければ誰にでも合う」という関係ではなく、それぞれに特徴があります。
ハードレンズとソフトレンズの違い
初めて使う方が気になりやすい、つけ心地や扱い方をまとめました。以下は一般的な傾向であり、見え方や装用感には個人差があります。
| 比較する点 | ハードレンズ | ソフトレンズ |
|---|---|---|
| 素材と大きさ | 硬い素材で、一般に黒目より小さい | 水分を含む柔らかい素材で、一般に黒目を覆う大きさ |
| 初めてつけたとき | 異物感が出やすく、慣れるまで時間がかかることがある | 比較的なじみやすい傾向がある |
| 目の上での安定性 | まばたきで動き、ずれたり外れたりすることがある | 比較的ずれにくく、外れにくい |
| 乱視への対応 | 角膜の形による乱視を補う働きがある | 乱視補正が必要な場合は、乱視用などを検討する |
| お手入れ | 製品に適したケアが必要 | 1dayは再使用せず廃棄。それ以外は対応するケアが必要 |
ハードレンズは、最初の異物感だけで合わないと決めつけず、見え方や目の状態も含めて検討します。一方、ソフトレンズは比較的なじみやすくても、目に合っているかどうかを自分の感覚だけで判断することはできません。
スポーツのときに外れにくいものを希望する場合には、ソフトレンズが候補になります。ただし、水泳など水が目に入る場面は別です。プールや海では外すなど、使用する環境に応じた注意も必要になります。
参考サイト:日本コンタクトレンズ協会「コンタクトレンズについて」
参考サイト:メニコン「よくあるご質問(はじめての方へ)」
見え方や装用感をもう少し詳しく比べたい方は、ハードコンタクトとソフトコンタクトの違いも参考にしてください。
ソフトの素材はハイドロゲルとシリコーンハイドロゲル
ソフトレンズの素材には、大きく分けてハイドロゲルとシリコーンハイドロゲルがあります。どちらも水分を含みますが、角膜に酸素を届ける仕組みに違いがあります。
ハイドロゲルは、主に素材に含まれる水分を通して酸素を届けます。シリコーンハイドロゲルは、シリコーン自体も酸素を通す素材です。そのため、含水率が低めでも高い酸素透過性を持つ製品があります。
ここで気をつけたいのが、「水分が多ければ乾きにくい」「酸素をよく通せば、何時間でも使える」と単純に考えないことです。含水率はレンズに含まれる水分の割合を示す数字であって、つけ心地の点数ではありません。表面の性質やレンズの形、涙の状態なども装用感に関わります。
素材名は特徴を知る手がかりとして使い、実際のつけ心地と目の状態は眼科で確認しましょう。
参考サイト:アキュビュー「素材:ハイドロゲルとシリコーンハイドロゲル」
交換期間で分けると1day・2week・1monthなどがある
「使い捨てコンタクト」とひとまとめに呼ばれることがありますが、毎回捨てる1dayと、ケアをしながら繰り返し使う2week・1monthでは扱い方が異なります。交換期間は、購入した箱を使い切るまでの期間ではなく、個々のレンズを交換するタイミングです。
交換のタイミングとケアの違いを比較
代表的なタイプを比較すると、毎日の生活で何が変わるのかが見えてきます。
| 種類 | 交換の基本 | 使用後の扱い |
|---|---|---|
| 1day(1日使い捨て) | 使用のたびに新しいレンズを開封する | 一度目から外したら捨て、再使用しない |
| 2week(2週間交換) | 開封日から最長2週間で交換する | 外したら洗浄・消毒・保存など、指定のケアを行う |
| 1month(1か月交換) | 開封後、製品で定められた1か月の使用期間で交換する | 外したら製品に合ったケアを行う |
| 長期使用タイプ | レンズや目の状態、製品の説明、眼科医の指示に従って交換する | 対応するケアを続け、状態を定期的に確認する |
1dayはレンズの洗浄や保存が不要なので、使う日が限られる方や、毎日のお手入れを負担に感じる方にとって検討しやすいタイプです。ただし、手洗いやつけ外しの練習まで不要になるわけではありません。同じ日のうちであっても、一度外したものは再使用しません。
2week・1monthは、毎回のケアを前提に同じレンズを使います。「今日はつけなかったから、その分だけ期限を延ばす」という数え方はできません。たとえば2weekを週末しか使わなくても、14回使い終わるまで保管してよいわけではなく、開封からの期間で交換します。
参考サイト:日本コンタクトレンズ協会「コンタクトレンズの使用方法について」
参考サイト:アキュビュー「よくあるご質問」
使用頻度とお手入れを含めて比べる
毎日使うのか、休日や運動するときだけ使うのかによって、無理なく続けられる交換方法は変わります。毎日使う方でも、ケアを忘れがちなら、その負担を含めて相談することが大切です。
費用を比べるときも、箱の価格だけでは判断できません。1箱の枚数や実際に使う日数、ケア用品の費用が異なるからです。「1monthなら必ず一番安い」と決めず、自分の使い方で比較しましょう。
交換期間ごとのメリットや費用の考え方は、1day・2week・1monthの違いで詳しく紹介しています。
機能で分けると近視用・遠視用・乱視用・遠近両用などがある
交換期間が同じでも、何を補うレンズかによって設計は変わります。商品名に「乱視用」「遠近両用」と付いているのは、単なるグレードの違いではありません。
近視用・遠視用はピントのずれを補う
近視や遠視では、目に入った光のピントが網膜にうまく合わず、ものがぼやけます。コンタクトレンズは光の曲がり方を調整し、ピントを合わせやすくする役割を持ちます。
近視用はマイナス、遠視用はプラスの度数で表されますが、度数の数字だけで製品を選べるわけではありません。必要な度数を備えているかに加え、目に合う形状か、実際に見やすいかを確かめます。同じシリーズでも、対応する度数の範囲が異なることがあります。
乱視用は乱視の強さと方向に合わせる
乱視用のソフトレンズは「トーリック」とも呼ばれ、近視・遠視の度数に加えて、乱視の強さや方向に合わせて選びます。乱視がある場合、近視の度数だけを強めても、文字のぶれや二重に見える感じが解消するとは限りません。
レンズが目の上でどのように安定するかも、見え方に関わります。そのため、箱の数値が同じでも、別の製品が同じように見えるとは限りません。ハードレンズを含め、どの方法が適しているかは乱視の状態によって判断されます。
参考サイト:メニコン「コンタクトレンズのCYL(乱視度数)とは?」
遠近両用は遠くと手元の見え方を調整する
遠近両用は、遠くを見るための度数に加え、手元を見るための度数を組み込んだレンズです。「遠視用」と名前が似ていますが、遠視を補うレンズと、遠く・近くの両方を見やすくするレンズは同じ意味ではありません。
スマートフォンの文字、パソコンの画面、屋外の看板など、よく見る距離を伝えながら調整します。どの距離も同じようにはっきり見えるとは限らず、用途によってはメガネを併用することもあります。
カラー・サークルレンズにも視力補正の有無がある
カラー・サークルレンズは、瞳の色や輪郭の印象を変えるためのレンズです。度あり・度なしのほか、乱視用などもあるため、見た目の機能と見え方を補う機能を分けて確認しましょう。
度なしであっても目に直接つけることは変わりません。ファッション雑貨と同じ感覚で自己判断せず、目の状態に合う製品を眼科で相談して選びます。交換期間や装用時間も、透明なレンズと同様に守る必要があります。
「2週間交換」と「つけたまま眠れる」は別の話
交換期間と混同しやすいのが、装用方法です。2weekは2週間つけっぱなし、1monthは1か月つけっぱなし、という意味ではありません。
終日装用は、起きている間に使い、眠る前には外す方法です。「終日」という言葉から24時間使えると誤解しがちですが、昼寝や仮眠のときも外すのが基本です。
一方、連続装用は、対応するレンズを用い、眼科医が許可した条件で行う装用方法です。酸素透過性が高い製品だからといって、自己判断でつけたまま眠れるわけではありません。
1日に使える時間も一律ではありません。製品の添付文書と眼科医からの指示を確認し、交換日だけでなく毎日の使用時間も守りましょう。
初心者は「目に合うこと」と「続けやすさ」を一緒に確認しよう
種類を知ると、商品を比較しやすくなります。ただし、最初に決めるべきなのは人気の製品名ではなく、自分の目でコンタクトレンズを使えるか、どのような補正が必要かという点です。
受診時には、次のような希望や生活上の条件を伝えると相談しやすくなります。
- 毎日使いたいのか、休日や運動するときだけ使いたいのか
- 運転、パソコン作業、読書など、よく見るものと距離
- 乾燥やアレルギーなど、目のことで気になっていること
- 洗浄・消毒・保存を毎日続けられそうか
- レンズ代とケア用品を含め、どの程度の費用を想定しているか
眼科では、目の健康状態や必要な度数を調べ、試しにつけたときの見え方とフィットを確認します。初心者だから必ず1day、乾きやすいから必ず低含水、と一つの条件だけで決めるものではありません。
相談から使い始めるまでの大まかな流れは、次のとおりです。
- 目の状態を検査し、コンタクトレンズを使えるか確認する
- 必要な補正と生活に合う候補を相談する
- 試着して、見え方やレンズの動き、つけ心地を確かめる
- つけ外しとケアを練習し、装用時間・交換日・次回の検査時期を確認する
参考サイト:メニコン「よくあるご質問(はじめての方へ)」
具体的な比較の進め方はコンタクトレンズの選び方、受診の準備は初めてのコンタクトレンズを作る流れで解説しています。
まとめ
コンタクトレンズの種類は、素材、交換期間、見え方を補う機能、装用方法を分けると整理しやすくなります。ソフトと1day、乱視用などは対立する選択肢ではなく、一つの製品に組み合わさる特徴です。
ハードとソフトでは装用感が異なり、1dayと2week・1monthでは使用後の扱いや交換の数え方も変わります。人気や価格だけで決めず、必要な補正と毎日の使い方を合わせて考えましょう。
まずは使いたい場面やお手入れへの不安を眼科で伝え、見え方と目へのフィットを確認することが大切です。種類の違いを知ることを、自分に合うレンズを相談するための手がかりにしてください。