コンタクトレンズの洗浄液がないときは?代用できないものと外出先での対処法

「旅行先で洗浄液を忘れた」「夜になって、ボトルが空だと気づいた」。コンタクトレンズを外したいのにケア用品がないと、身近な水や目薬で何とかできないかと考えてしまいますよね。

けれども、水道水・精製水・生理食塩水・目薬は、普段の洗浄液や消毒液の代わりにはなりません。とくにソフトレンズは、濡らしておくだけでは必要なケアができず、そのまま使うと目のトラブルにつながるおそれがあります。

この記事では、洗浄液がないときにまずすること、代用できない理由、外出先での入手方法を順番に解説します。水を使ってしまったときの対応や、ハードレンズで間違えやすい点も確認しておきましょう。

コンタクトレンズの洗浄液がないとき、まずどうすればいい?

まずは、適合するケア用品を入手できるか確認しましょう。手に入らない場合は、レンズをつけたまま長時間過ごすのではなく、メガネに切り替えることを優先します。「朝まで外さなければ洗浄液はいらない」と考えるのは避けてください。

専用のケア用品を探し、無理ならメガネに切り替える

慌てているときは、次の順番で整理すると行動を決めやすくなります。

  1. 使っているレンズがソフトかハードかを確認する
  2. 近くのコンビニ・ドラッグストア・コンタクトレンズ販売店に、対応するケア用品とケースがあるか問い合わせる
  3. 入手できたら、商品の説明どおりに洗浄・保存などのケアを行う
  4. 入手できない場合や必要なケア時間を確保できない場合は、レンズを装用せずメガネで過ごす

お店を探し回っている間に装用時間を延ばしたり、目の不調を我慢したりしないことも大切です。メガネがなく、外すと移動が難しい場合は、周囲の人に用品の購入や移動を手伝ってもらいましょう。十分に見えない状態での運転は避けてください。

参考サイト:Menicon Miru「コンタクトの洗浄液・保存液がない!代用できるものは?」

レンズの種類によって、必要な対応が異なる

洗浄液が必要かどうか、外したレンズを再び使えるかどうかは、レンズの種類でも変わります。

▼洗浄液がないときのレンズ別の考え方

レンズの種類外したあとの基本洗浄液がないときの注意点
ワンデータイプ外したレンズは捨てる洗って保存したり、同じレンズをつけ直したりしない
2週間・1か月交換などのソフトレンズ使用後に洗浄・すすぎ・消毒・保存を行う水に浸しても消毒にはならない。必要なケアができないまま再装用しない
ハードレンズレンズに指定された洗浄・保存方法を守るソフト用の液や水を、自己判断で保存液の代わりにしない

ワンデーレンズの予備を使う場合も、眼科で自分に合うと確認されている製品を使います。度数だけを合わせて、初めてのレンズをその場で選ぶのは避けましょう。

ソフトレンズの毎日のケアについては、コンタクトレンズの洗い方で手順を詳しく紹介しています。

水道水・精製水・生理食塩水は洗浄液の代わりになる?

見た目が透明で、目にしみなさそうな液体でも、コンタクトレンズのケアに必要な働きがあるとは限りません。「きれいに見えること」と「レンズを洗浄・消毒できること」は別に考える必要があります。

身近な液体で代用できるか、一覧で確認

ここでは、繰り返し使うソフトレンズの洗浄・消毒・保存を、身近な液体で代用できるかをまとめました。専用製品の説明書で指定された用途とは区別してください。

身近な液体洗浄液・消毒液の代用気をつけたいこと
水道水できない微生物が含まれることがあり、ソフトレンズの形状にも影響する
精製水・飲料水できない不純物が少ない、飲めるという性質だけでは、レンズケアの機能を満たさない
一般の生理食塩水できない消毒作用がない。専用のすすぎ液を指示どおりに使う場合とは異なる
コンタクト対応の目薬できない装用中に点眼できても、レンズの洗浄・消毒・保存用ではない
自分で作った塩水・唾液できない衛生面や成分を管理できず、レンズを濡らす目的でも使わない

「一晩だけ」「あと数時間だけ」という時間の短さで、代用できるようになるわけではありません。家にあるものを組み合わせるより、レンズに適合するケア用品を用意することが大切です。

参考サイト:FDA「コンタクトレンズ用ケア用品の使い方と注意点」

水道水や精製水では、ソフトレンズを消毒できない

水道水には、アカントアメーバなど、目の感染症に関わる微生物が含まれることがあります。また、ソフトレンズは水に触れると形が変わったり、膨らんだりして、目に張り付くことがあります。

精製水も、名前に「精製」とついているから消毒できるわけではありません。不純物を減らした水を使うことと、使用済みのレンズを適切に洗浄・消毒することは異なります。

水が触れたら必ず感染するという意味ではありませんが、見た目では安全かどうか判断できません。レンズの保存だけでなく、ソフトレンズを少しすすぐために水を使うことも避けましょう。

参考サイト:CDC「コンタクトレンズに水を近づけないための注意点」

生理食塩水は「すすぎ」と「消毒」を混同しない

「生理食塩水は目にやさしそうだから、保存しても大丈夫では?」と思う方もいるかもしれません。しかし、生理食塩水にはレンズを消毒する働きがありません。

コンタクトレンズ用の滅菌された生理食塩水などを、洗浄・消毒後のすすぎに使うケア方法はあります。ただし、これは製品の説明や眼科の指示に沿った使い方です。一般の生理食塩水で、使用済みのレンズをすすぐだけでつけ直したり、一晩のケアを済ませたりしてよいという意味ではありません。

「保存液」と書かれた専用品でも、消毒機能を持たない製品があります。買うときは名前だけで判断せず、用途に「消毒」が含まれているか、別の消毒工程が必要かを確かめてください。

参考サイト:CDC「コンタクトレンズの洗浄・消毒・保存について」

ハードレンズの水道水ですすぐ手順は、別に考える

ハードレンズには、指定の洗浄保存液でこすり洗いをしたあと、水道水の流水ですすぐ方法があります。日本コンタクトレンズ協会も、ハードレンズのケアとしてこの手順を紹介しています。

ただし、これは「水道水で洗浄液を代用する」「一晩、水に浸して保存する」という話ではありません。水を使える工程があるからといって、ケア全体を水だけで済ませないようにしましょう。

レンズの種類や表面処理、組み合わせる用品によっても指示が異なります。ハードレンズをお使いの方は、普段使っている製品の説明書を確認し、わからない場合は購入先やメーカーに相談してください。

参考サイト:日本コンタクトレンズ協会「ケア用品について」

洗浄液はコンビニで買える?外出先で探すときのポイント

急な外泊では、夜間に開いているコンビニが候補になります。コンタクトレンズ用の携帯ケア用品を扱う店舗はありますが、すべての店舗にあるとは限りません。普段と同じ商品が見つかるとも限らないため、用途を確かめて選びましょう。

ケース付きの使い切りタイプも選択肢になる

たとえばメニコンの「コンビニエピカ」は、ソフトレンズ用の1回使い切りタイプで、レンズケースが付属しています。12mL入りで、洗浄・すすぎ・消毒・保存に使う製品です。

ケースも一緒に入手できる点は便利ですが、使い方には注意があります。この製品では4時間未満の一時保存では消毒が完了せず、付属ケースは使い捨てで、レンズを入れたまま持ち運ぶ用途にも適していません。商品が小さいからといって、ケアの時間まで短くなるわけではないのです。

これは携帯用製品の一例であり、特定の店舗での在庫を保証するものではありません。出向く前に電話などで確認できれば、買い直しや探し回る手間を減らせます。

参考サイト:メニコン「コンビニエピカ」

買う前に確認したい4つの項目

見慣れないケア用品を買うときは、次の点を確認してください。

  • 自分のレンズに対応しているか:ソフト用・ハード用、カラーレンズへの使用可否
  • 必要な機能がそろっているか:洗浄・すすぎ・消毒・保存のどこに使える製品か
  • 必要なケースがあるか:付属品や専用ケースの指定を確認
  • いつ装用できるか:消毒・中和に必要な時間を確保できるか

とくに、中和が必要な消毒液を、普段のMPSと同じ感覚で使わないようにしましょう。ボトルの液をレンズにつけ、そのまま目に入れることはできません。詳しい違いは、コンタクトレンズの洗浄液・保存液の選び方で解説しています。

コンビニにない場合は、営業中のドラッグストアやコンタクトレンズ販売店も確認します。配送サービスを利用するときは、「当日中」と「今すぐ」は同じではないため、実際の配達予定時刻を見て判断してください。

水で洗ってしまった・代用品に浸してしまったときは?

すでに水や代用品を使ってしまった場合は、あわててそのレンズをつけ直さないでください。まず装用を中止し、レンズの種類と目の状態を確認します。

ワンデーは捨て、再使用タイプもそのまま装用しない

ワンデーレンズは、一度外したら再使用しません。洗浄液で洗い直しても、再使用できるレンズにはならないため、外したものは捨ててください。

再使用タイプのソフトレンズが水に触れたとき、CDCは、外したレンズを廃棄するか、再装用前に一晩かけて洗浄・消毒するよう案内しています。ただし、これは感染リスクを減らすための対応であり、どんな状態のレンズでも洗い直せば安全という保証ではありません。

汚れた場所に落とした、長時間水に浸した、変形や傷があるなどの場合は、そのまま再使用せず、交換や使用可否を眼科・メーカーに相談しましょう。指定されたハードレンズの流水すすぎは、このような誤使用とは分けて考えます。

痛み・充血・見えにくさがあるときは、早めに眼科へ

水で洗ったレンズをつけたあとなどに、次の症状が出たら、レンズを外して速やかに眼科へ連絡してください。

  • 痛みや強い異物感がある
  • 目が赤くなっている
  • 急に見えにくくなった、かすむ
  • 光をまぶしく感じる
  • 涙や目やにが普段より多い
  • レンズを外しても症状が続く、痛みが増す

「24時間たってから」「市販の目薬で治らなければ」と待つ必要はありません。とくに強い痛みや急な視力の変化があるときは、夜間・休日であっても、眼科対応の医療機関への相談を優先しましょう。

受診時は、レンズの種類、何の液体を使ったか、いつから症状があるかを伝えます。症状がある間は、別の新品レンズへ替えて装用を続けることも避けてください。

参考サイト:CDC「コンタクトレンズに関連する目の感染症」

旅行・外泊で困らないために、準備しておきたいもの

いざというときに用品を探す負担を減らすには、レンズと一緒に「外したあとに必要なもの」を準備しておくことが役立ちます。

予備のメガネと、使い慣れた携帯用ケア用品をセットにする

外泊の前には、次の持ち物を確認しておきましょう。

  • 今の見え方に合ったメガネ
  • レンズに適合する洗浄液・消毒液などのケア用品
  • そのケア用品に対応する清潔なケース
  • いつも使っている製品の予備レンズ
  • 使い方や相談先を確認できる説明書・製品名の控え

旅行用には、メーカーが販売する小容量ボトルや使い切り製品を選ぶと、容器の取り違えを防ぎやすくなります。詰め替えを認めていないケア用品を、自己判断で化粧品用などの小瓶へ移さないでください。

ケースだけないときも、身近な容器で済ませない

「液はあるけれどケースを忘れた」という場合も、コップやペットボトルのキャップなどを、専用ケースと同じように使えるとは考えないようにしましょう。衛生状態や材質を確認できないうえ、中和が必要なケアではケース自体に大切な役割があります。

ケース付きのケアセットや指定のケースを入手し、用意できない場合はメガネで過ごします。普段使うケースの洗い方・乾かし方については、コンタクトレンズケースのお手入れも参考にしてください。

まとめ

コンタクトレンズの洗浄液がないとき、水道水・精製水・生理食塩水・目薬で普段のケアを代用することはできません。コンビニなどで適合する用品を探し、手に入らない場合や必要な消毒時間を取れない場合は、メガネに切り替えましょう。

ハードレンズで指定されている流水すすぎや、専用の生理食塩水によるすすぎは、それぞれのケア方法の一部分です。「一部に使える」ことと「洗浄・消毒・保存をすべて代用できる」ことは違います。

無理にレンズを使い続けるより、いったん外して目を休ませることが大切です。次の外出からは、メガネと携帯用ケア用品を一緒に準備し、急な予定変更にも対応できるようにしておきましょう。

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