コンタクトレンズの正しい洗い方|ソフト・ハード別の手順とケアのコツ

「いつも洗浄液につけているけれど、これでちゃんと洗えているのかな」「こすり洗いをすると、レンズが破れそうで心配」。毎日のことだからこそ、コンタクトレンズのお手入れに迷う場面はありますよね。

コンタクトレンズの正しい洗い方は、ソフト・ハードといった種類だけでなく、使っているケア用品によっても異なります。大切なのは、汚れを落とす工程と、必要な消毒・保存の工程を省かないことです。

この記事では、洗う前の準備からソフト・ハード別の手順、汚れが落ちないときの考え方まで、順を追って解説します。まずは手元のレンズとケア用品を確認しながら、いつもの洗い方を一緒に見直していきましょう。

まず確認!レンズの種類によって洗い方は違う

「使い捨て」と呼ばれるレンズでも、お手入れの要否は同じではありません。1日使い捨てのワンデーは、外したら捨てるタイプです。一方、2週間交換や1か月交換は、使用期間内に繰り返し装用するため、毎回のケアが必要です。

▼レンズの種類とお手入れの違い

種類外した後の扱い
1日使い捨てソフトレンズ洗って再使用せず廃棄する
2週間・1か月交換などのソフトレンズ対応するケア用品で洗浄・すすぎ・消毒・保存する
ハードレンズハード用の指定された方法で洗浄・保存する
カラーコンタクトレンズ1日使い捨てか再使用タイプかを確認し、その製品の方法に従う

度なしのカラコンも、おしゃれ用だから手入れを省いてよいわけではありません。再使用タイプなら、レンズとケア用品の両方で使用できる組み合わせを確認してください。

洗う前に準備したいものと手洗いのポイント

レンズを外してから「液が足りない」「ケースが見つからない」と慌てないよう、先に道具をそろえておくとスムーズです。清潔な手と作業場所を整えるところから始めましょう。

レンズに合うケア用品と清潔なケースを用意する

レンズを外す前に、次のものがそろっているか確認しましょう。

  • 使用中のレンズに対応するケア用品
  • そのケア用品で使う、清潔なレンズケース
  • 手を洗うための石けん
  • 清潔なタオルなど、手の水分を拭き取るもの

同じ「コンタクト用」でも、ソフト用・ハード用は取り違えないことが大切です。過酸化水素など専用ケースを使う製品では、普段の平たいケースではなく、付属のケースを用意してください。

ボトルは使用期限と開封後の使用期間も確認します。液が残っていても、開封してから使える期間を過ぎていれば交換が必要です。ボトルに開封日を記しておくと、いつから使っていたか迷いにくくなります。

洗面台で扱うときは、排水口に栓をするなど、レンズを流さない準備もしておきましょう。左右の取り違えを防ぐため、毎回同じ側から外してケアする習慣も役立ちます。

石けんを十分にすすぎ、清潔なもので手を拭く

手のひらだけでなく、レンズに直接触れる指先まできれいにすることがポイントです。

  1. 石けんで手のひら・手の甲・指先・爪の周りを洗う
  2. 流水で石けん分が残らないように十分すすぐ
  3. 清潔なタオルや毛羽の出にくいペーパータオルで水分を拭き取る
  4. 指に繊維が残っていないか確認してから、レンズに触れる

洗った後にハンドクリームを塗ったり、化粧品のついたものに触れたりすると、油分などがレンズに移ることがあります。手を拭くものも、湿ったまま使い回しているタオルは避けましょう。

爪は短く滑らかに整えておくと、レンズを傷つけにくくなります。手指用の消毒剤や除菌シートだけで、石けんと流水による手洗いの代わりにすることも避けてください。

参考サイト:日本コンタクトレンズ協会「コンタクトレンズの使用方法について」

ソフトコンタクトレンズの正しい洗い方

ここでは、1本で洗浄・すすぎ・消毒・保存ができるMPSを使う場合を中心に説明します。製品によって回数や時間が違うため、基本の流れを理解したうえで、手元の説明書と照らし合わせてください。

▼MPSを使ったお手入れの流れ

  1. 手を洗って水分を拭き取り、レンズを外す
  2. 手のひらにのせ、MPSをつけて両面をやさしくこすり洗いする
  3. 新しいMPSでレンズの両面をよくすすぐ
  4. 清潔なケースに新しい液を入れ、指定時間以上消毒・保存する

流れを覚えるだけでなく、「どこで間違えやすいか」も知っておくと、毎日のケアを見直しやすくなります。それぞれの工程を詳しく見ていきましょう。

1.手のひらにのせ、両面をやさしくこすり洗いする

洗った手でレンズを外し、手のひらにのせます。レンズに対応するMPSをつけ、反対の手の指の腹でやさしくこすります。片面だけで終わらず、両面を洗うことが大切です。

力いっぱいこする必要はありません。爪を立てたり、乾いた状態でこすったりすると、傷や破れにつながります。レンズが指に引っかかるようなら、無理に動かさず、液が十分についた状態で扱いましょう。

例えばメニコンの「エピカ」では、両面それぞれ20~30回のこすり洗いを案内しています。これはエピカの手順であり、すべてのケア用品に共通する回数ではありません。使っている製品の表示に合わせることが重要です。

2.新しい液でレンズの両面をすすぐ

こすり洗いの後は、新しいMPSでレンズの両面をよくすすぎます。汚れを浮かせても、そのままケースに入れてしまうと、汚れごと持ち込むことになるためです。

このとき、ソフトレンズを水道水ですすいではいけません。見た目は同じ透明な液でも、水道水や精製水は、ソフトレンズ用ケア用品の代わりにはなりません。

ボトルの注ぎ口をレンズや指に押し当てないこともポイントです。容器の先が汚れないように扱い、使い終わったらキャップを閉めましょう。

3.清潔なケースで指定時間以上、消毒・保存する

レンズを清潔なケースに入れ、指定量の新しい液で十分に浸します。昨日の液を残したまま継ぎ足したり、少量の液で済ませたりしないでください。

消毒に必要な時間は製品ごとに決まっています。エピカでは4時間以上ですが、ほかの製品でも同じとは限りません。「短時間しか使っていないから消毒も短くてよい」とは考えず、決められた時間を確保しましょう。

参考サイト:メニコン「エピカ」の使用方法

朝に取り出した後の液は捨て、ケースも製品の説明書どおりに洗って乾燥させます。レンズだけを丁寧に洗っても、保管場所が汚れていては十分ではありません。

過酸化水素・ポビドンヨードはMPSと同じように使わない

過酸化水素やポビドンヨードを使うケア用品では、消毒後に成分を中和する工程が必要です。専用ケースや錠剤を使う仕組みがあり、MPSの手順をそのまま当てはめることはできません。

特に、中和前の過酸化水素の液を、MPSのつもりでレンズのすすぎに使ったり、目に入れたりしないよう注意してください。ケア用品を変えたときは、液だけでなく、ケース・必要な部材・待ち時間まで一緒に確認しましょう。

方式ごとの違いは、コンタクトレンズの洗浄液・保存液の違いで詳しく説明しています。

ハードコンタクトレンズの洗い方とタンパク除去

ハードレンズは、ソフトレンズと素材もケア方法も異なります。「ソフトで使っていた液が余っているから」と流用せず、処方されたハードレンズに合う用品を使いましょう。

ハード用の洗浄保存液でこすり洗いする

ハードレンズも、付いた汚れを落とすにはこすり洗いが基本です。手のひらなどで安定させ、対応する洗浄液をつけて、レンズの内面・外面を丁寧に洗います。硬いレンズでも強く押せば破損するおそれがあるため、力を入れすぎないようにしてください。

一般的なハード用洗浄保存液には、こすり洗い後に水道水の流水ですすぐものがあります。これはソフトレンズの扱いと異なる点です。ただし、すすぎに使えるからといって、水道水を保存液代わりにしてよいわけではありません。

また、洗浄を行うタイミングは製品の手順で異なります。例えば、メニコン「O2ケアアミノソラ」の例では、外したレンズを一晩保存し、装用前にこすり洗いと流水でのすすぎを行います。自分の製品がどの順序かを確認しましょう。

参考サイト:メニコン「ケアの種類と特徴」

タンパク除去は、レンズとケア用品に合う方法で行う

毎日の洗浄に加えて、タンパク除去が必要になることがあります。ただし、「すべてのレンズに週1回追加する」という共通ルールではありません。酵素を含む洗浄保存液を使う方法もあれば、別の除去剤を組み合わせる方法もあります。

ソフト用とハード用、さらにハードレンズの中でも対応製品が異なるため、強そうな洗浄剤を自己判断で追加するのは避けましょう。例えばメニコン「プロージェント」は、対象となる酸素透過性ハードレンズが指定されている製品です。

参考サイト:メニコン「プロージェント」

汚れが気になるときは、使用中のレンズ名とケア用品名、現在の洗い方を伝えると相談がスムーズです。必要な追加ケアか、レンズ交換が必要なのかを確認できます。

コンタクトレンズはなぜ洗う必要があるの?

見た目が透明でも、使ったレンズが汚れていないとは限りません。毎日の手順には、それぞれ意味があります。何を落とすためのケアなのかを知ると、省いてはいけない理由も理解しやすくなります。

涙の成分や化粧品などがレンズに付着するため

レンズに付くのは、外から入ってくるホコリだけではありません。目をうるおす涙にもタンパク質や脂質などが含まれ、レンズの汚れにつながることがあります。さらに、指に残ったハンドクリームや化粧品が、つけ外しのときに移ることもあります。

汚れの残ったレンズは、曇りや装用時の違和感の一因になります。また、レンズやケースの不適切な管理は、目に細菌などを持ち込む原因にもなります。「白く濁ってから洗えばよい」というものではなく、外した後に毎回ケアすることが基本です。

ただし、ゴロゴロ感や見えにくさがすべて汚れのせいとは限りません。目の乾燥やレンズの傷、目そのものの異常でも起こるため、症状があるときの判断は後半で説明します。

こすり洗い・すすぎ・消毒にはそれぞれ役割がある

洗浄液につけることと、汚れを洗い落とすことは同じではありません。再使用するソフトレンズでは、次の4つを組み合わせてケアします。

▼ソフトレンズのケアで行うこと

工程主な目的押さえたいポイント
洗浄レンズに付いた汚れを落とすこすり洗いは爪を立てず、指の腹で行う
すすぎ浮いた汚れや洗浄成分を流す対応する新しい液で両面をすすぐ
消毒レンズに付いた微生物に対処する指定の液量・時間を守る
保存次に使うまで適切な状態で保管する清潔なケースと新しい液を使う

「すすいだから消毒もできた」「一晩つけたからこすり洗いはいらない」と自己判断で工程を減らさないようにしましょう。日本コンタクトレンズ協会も、ソフトレンズのケアをこの4つに分けて案内しています。

参考サイト:日本コンタクトレンズ協会「ケア用品について」

やってはいけない洗い方・保存方法

「少しだけなら大丈夫」「きれいに見えるから問題ない」と、つい手順を省きたくなる日もあるかもしれません。ただ、見た目だけでは、必要なケアができているかは判断できません。よくある間違いと、代わりにどうすればよいかを整理しました。

▼見直したい自己流ケア

やりがちなことなぜ避けるの?正しい対応
ソフトレンズを水道水ですすぐソフトレンズ用のすすぎ液ではなく、微生物を持ち込むおそれもある使っているケア用品で指定された液を使う
昨日の液に新しい液を継ぎ足す汚れを含む使用済みの液を残してしまう使用済みの液を捨て、毎回新しい液に交換する
こすらずに液へつけるだけで済ませるつけ置きだけでは、こすり洗いの代わりにならない使用する製品に必要な洗浄・すすぎの工程を守る
消毒時間が終わる前につける消毒や中和が十分に進んでいない場合がある指定された時間が過ぎるまで待つ
ワンデーを洗って翌日も使うワンデーは再使用を前提としたレンズではない一度外したレンズは捨て、新しいものを使う

「水を使わない」という注意は、手を洗うときの流水まで禁止する意味ではありません。また、ハードレンズには水道水ですすぐ製品もあります。レンズ・手・ケースのどれを洗うのかを区別すると、注意点を混同しにくくなります。

液が足りないときに無理にケアを済ませるより、メガネに切り替えて適切な用品を用意しましょう。予備のメガネを持っておくと、急な外泊やケア用品の不足にも対応しやすくなります。

汚れが落ちないときに見直したいこと

きちんと洗っているのに曇りや汚れを繰り返すと、もっと強く洗いたくなるかもしれません。そんなときは、洗う力を増やすより、汚れが付く場面とレンズの状態を見直すことが大切です。

化粧の順番やケースの管理、交換時期を確認する

化粧をした手でレンズに触れると、油分や細かな粉が移ることがあります。レンズは化粧の前につけ、化粧を落とす前に外すと、こうした汚れの付着を減らしやすくなります。

汚れが繰り返し付くときは、次の点も確認してみましょう。

  • レンズの両面を、指定どおりにこすり洗いしているか
  • ケースを洗った後、十分に乾燥させているか
  • ケースの交換時期や、レンズの使用期限を過ぎていないか
  • レンズに傷や変形、洗っても残る曇りがないか

2weekなどの交換期間は、「洗えば延ばせる期間」ではありません。開封日と交換予定日を記録しておくと管理しやすくなります。傷や変形があるレンズは、洗浄で元に戻そうとせず、使用を中止してください。

ケースの洗い方や交換については、コンタクトレンズケースのお手入れも参考にしてください。ケースの種類によって、使用する液や水の扱いが異なります。

洗浄機があっても、必要な消毒を省かない

市販の洗浄機を使えば、すべてのケアを省けると思っていませんか。機器で洗うことと、ソフトレンズに必要な消毒が完了することは別です。機器の宣伝だけで、レンズやケア用品に指定された手順を置き換えないようにしましょう。

購入や使用を考える場合は、使用中のレンズとケア用品に対応しているか、洗浄後に何の工程が必要かを確認します。対応が確認できない機器を使ったり、メガネ用の超音波洗浄機で代用したりせず、まずはレンズメーカーや処方を受けた眼科へ相談してください。

痛みや充血があるときは、洗い直して使い続けない

レンズに曇りや傷、変形が残る場合は、そのまま装用しないでください。異物感などが続くときも、「まだ使用期間内だから」と我慢する必要はありません。

特に痛み、充血、急な見えにくさなどがある場合は、装用を中止して早めに眼科を受診しましょう。強い痛みや視力の変化があるときは、受診を急いでください。汚れなのか、目の傷や病気なのかは、自分では見分けにくいためです。

洗浄液を切らしてしまったときも、代わりの液を試すより、メガネに切り替えて適切な用品を用意することを優先します。具体的な対応は、洗浄液がないときの対処法で確認できます。

まとめ

コンタクトレンズの洗い方で大切なのは、自分のレンズとケア用品に合う手順を毎回守ることです。再使用するソフトレンズは洗浄・すすぎ・消毒・保存を行い、ハードレンズは指定された洗浄保存液やタンパク除去の方法を使います。ワンデーは洗って再使用せず、外したら捨てましょう。

手洗い、やさしいこすり洗い、新しい液、清潔なケースという基本を整えると、自己流で見落としていた点にも気づきやすくなります。回数や消毒時間、水でのすすぎの可否は、製品ごとの説明書で確認してください。

汚れが落ちない、痛い、見えにくいといった異常があるときは、無理に使い続けないことも大切です。毎日のケアと必要な受診を組み合わせて、目をいたわりながら使っていきましょう。

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