「コンタクトレンズが取れない…どうしよう」。いつものように外せなかったり、鏡で見てもレンズが見つからなかったりすると、不安になりますよね。
そんなときは、何度も目を触るのをいったんやめ、痛みや見え方の異常がないかを確認しましょう。レンズが乾燥して張り付いている場合もありますが、ずれて見えにくくなっていたり、すでに外れていたりすることもあります。
強い痛み、急な見えにくさ、強いまぶしさがある場合は、外し方を試し続けず、すぐに眼科へ連絡してください。この記事では、状況別の確認方法と、自分での対応をやめて受診すべき目安を整理します。
コンタクトレンズが取れないとき、最初に確認すること
焦って取ろうとすると、普段より強い力が入ってしまいがちです。まずは「目の状態」と「レンズが見えるか」を確認し、自宅で操作を続けてよい状況かを考えましょう。
痛みや見え方の異常があれば、取り外しより受診を優先する
レンズを使っているときの痛みや充血、かすみは、単に乾燥しているだけとは限りません。目の表面の傷や感染症などが関係することもあり、見た目や感覚だけでは区別できません。
次の表は、病名を判断するためではなく、次に取る行動を整理するためのものです。症状がある場合は、レンズが残っているかどうかにかかわらず、眼科へ相談してください。
| 今の状態 | 対応の目安 |
|---|---|
| 強い痛み・急な見えにくさ・強いまぶしさがある | 自分で外す操作を中止し、すぐに眼科へ連絡する |
| 充血・目やに・異物感などがある | 使用を中止し、早急に眼科を受診する。外せない場合は無理に続けない |
| レンズの位置がわからない・破片が残った可能性がある | 指や器具で探らず、眼科で確認してもらう |
| 症状はないが、通常の方法で外せない | 下記の準備と潤いを確認し、それでも外せなければ眼科へ相談する |
| 外れた後も痛み・かすみ・ゴロゴロ感が続く | レンズを入れ直さず、速やかに受診する |
「30分経ったら」「2時間取れなかったら」と、時間だけで受診を決める必要はありません。症状があるときはその時点で、自分で安全に外せないときも、待ち続けずに相談することが大切です。
参考サイト:日本眼科医会「コンタクトレンズ関連情報」
参考サイト:CDC「コンタクトレンズに関連する眼感染症」
手を洗い、明るい鏡でレンズの位置を見る
痛みなどの異常がなく、自分で位置を確認できる場合は、まず石けんで手を洗い、十分にすすいでから清潔なタオルなどで水分を拭き取ります。爪が長い場合は、目やレンズを傷つけないよう短く整えてください。
鏡を見ながら、どちらの目のレンズが残っているのか、黒目の上にあるのかを確かめます。顔やまつげ、指先に付いていないか、周囲に落ちていないかも確認しましょう。
「何か入っている感じがする」ことと、レンズが実際に残っていることは同じではありません。すでに外れた目を繰り返し触ってしまうこともあるため、位置がわからないままつまもうとしないでください。
参考サイト:日本コンタクトレンズ協会「コンタクトレンズの使用方法について」
ソフトコンタクトレンズが乾燥して張り付いたときの対処法
ソフトレンズが目から離れない場合、乾燥によって張り付いている可能性があります。いつもの力で動かせないからといって、さらに強くつまむのは避けましょう。
ここで紹介するのは、レンズの位置が確認でき、痛み・充血・見え方の異常がない場合の対応です。異常がある方や、破れが疑われる方は、自分で操作を続けず眼科へ相談してください。
潤いを補い、動く状態になってから外す
乾燥しているレンズは、無理にはがそうとせず、まずまばたきなどで潤いを補います。目薬を使う場合は、装用中のレンズに使えることを確認し、眼科医の指示と製品の用法に従ってください。
- 手を洗って水分を拭き取り、鏡でレンズの位置を確認します。
- ゆっくり大きくまばたきをします。必要に応じて、眼科で指示されたソフトコンタクトレンズ用の目薬を使用します。
- 潤いがなじみ、レンズが無理なく動くことを確認します。動かないまま、力を加えてずらさないでください。
- 動く状態になったら、眼科で教わった方法で外します。基本は黒目より少し下へずらし、親指と人さし指の腹でレンズの下側をやさしくつまみます。
途中で痛みを感じた場合や、潤しても外せない場合は、そこで中止します。何種類もの外し方を次々に試すより、眼科に状況を伝えて対応してもらいましょう。
普段の着脱方法を確認したい方は、コンタクトレンズの正しいつけ方・外し方をご覧ください。外れない状態を力で解決するための手順ではなく、基本を振り返るためのものです。
参考サイト:アキュビュー「ユーザーガイド:コンタクトレンズの装用とはずし方」
目薬なら何でも使えるわけではない
「目を潤す」といっても、手元にある目薬を無条件に使ってよいわけではありません。レンズの種類や点眼薬の成分によって、装用したまま使えないものがあります。
「防腐剤が入っていないから必ず大丈夫」とも決めつけず、使用中のレンズに対応しているか、注意書きまで確かめましょう。使えるか判断できない場合は、眼科や薬剤師に確認してください。
また、レンズの洗浄液・消毒液・保存液は、目薬の代用品ではありません。取れないからと目へ直接入れることは避けてください。
レンズがずれた・目の中で見つからないとき
黒目の上にレンズが見えないと、「目の裏へ入ってしまったのでは」と心配になるかもしれません。まず知っておきたいのは、眼球の裏側と、まぶたの内側は別の場所だということです。
眼球の裏側には入り込まないが、まぶたの内側へずれることはある
目の表面を覆う結膜は、まぶたの内側とつながり、袋状になっています。そのため、コンタクトレンズが眼球の裏側まで回り込むことはありません。
一方、レンズが黒目からずれ、まぶたの内側に入り込んで見えにくくなることはあります。ソフトレンズでは、折れた状態で残っている場合も考えられます。「裏には行かないから放置してよい」という意味ではないことに注意しましょう。
鏡で確認しても見つからないときは、まぶたを強く引っ張ったり、指を差し込んだりして探さないでください。レンズの有無がわからなければ、眼科で確認してもらう方が確実です。確認できるまでは、新しいレンズを重ねて装着しないようにしましょう。
ハードレンズは、ソフトと同じつまみ方で外さない
ハードレンズは、ソフトレンズのように折り曲げてつまむものではありません。黒目から白目側へずれている場合も、指で強く押して移動させようとするのは避けてください。
位置が見えていて、眼科でずれた際の戻し方を教わっている場合は、その方法に従います。位置が不明、張り付いて動かない、痛みがあるといった場合は、自己流で直さず受診しましょう。
専用スポイトも、どんな状態でも使えるわけではありません。レンズが見えないまま吸着させたり、眼球へ直接当てたりしないでください。使用する場合は適合する製品を選び、説明書と眼科での指導を守ることが前提です。
器具の扱いを確認したい方は、ハードコンタクトレンズ用スポイトの使い方をご覧ください。
参考サイト:メニコン「コンタクトレンズが取れない!ハード・ソフト別の取り方と対応方法」
コンタクトレンズが取れないときに避けたい行動
「早く取りたい」という気持ちから、普段はしない方法を試したくなることもあるでしょう。しかし、目を傷つけないためには、何をするかだけでなく、どこでやめるかも大切です。
強くこする・爪や道具で探るのはやめる
目を何度も触ると、レンズが外れていないだけでなく、目の表面を傷つけてしまうおそれがあります。特に、位置がわからない状態での操作は避けてください。
| 避けたい行動 | 気をつけたい理由 |
|---|---|
| 爪で引っかける、力任せに引っ張る | 目やレンズを傷つけるおそれがある |
| まぶたの上から何度も強くこする・押す | レンズの状態が見えず、目に負担をかけやすい |
| ピンセット・綿棒・ティッシュを目へ当てる | 目を傷つけたり、異物を残したりする可能性がある |
| 慣れない取り外し器具を自己流で使う | 用途や操作を誤ると、レンズではなく目を傷つけるおそれがある |
| 位置を確認せず何度もつまむ | すでにレンズが外れている目を触ってしまうことがある |
ケースからレンズを取り出すためのピンセットと、装用中のレンズを外すための器具は同じではありません。先端が柔らかくても、「目に使ってよい道具」とは限らないことを覚えておきましょう。
水や入浴で外そうとせず、取れないまま寝ない
水の中に顔をつけてまばたきをしたり、シャワーでレンズを流したりする方法は避けてください。水はソフトレンズの形状を変化させたり、目に張り付かせたりすることがあり、水中の微生物による感染の危険もあります。
また、「お風呂で潤せば取れるかも」と入浴して試すのも適切ではありません。目薬で潤いを補うことと、水や湯気に触れさせることを混同しないようにしましょう。
外れないからと、そのまま寝て翌朝まで待つことも避けてください。特に痛みや見え方の異常がある場合は、夜間でも医療機関へ連絡し、眼科の診療が可能かを確認します。
参考サイト:CDC「コンタクトレンズを水から遠ざけるための注意点」
参考サイト:日本コンタクトレンズ協会「コンタクトレンズの使用方法について」
破れた・外れた後も違和感がある場合の対応
やっと外せるとほっとしますが、レンズが取れたことと、目に問題がないことは別です。取り出したレンズと、その後の目の状態も確認しておきましょう。
破片が残った可能性があれば、眼科で確認する
ソフトレンズが破れている、ハードレンズが欠けているなどの場合は、そのレンズを再使用しません。目の中に破片が残っている可能性があるときは、爪や器具で取り出そうとせず、眼科へ相談してください。
「欠けた部分は外に落ちたはず」「ゴロゴロしないから残っていない」と、自分の感覚だけで判断しないことも大切です。受診先には、どちらの目で、いつ破損に気づいたかを伝えましょう。
外した後の痛み・充血・かすみを我慢しない
レンズを外しても異物感や痛みが続くときは、目の表面に傷があるなど、レンズ以外の原因が残っている可能性があります。新しいレンズをつけて見え方を試すのではなく、メガネに切り替えて受診してください。
症状があった場合の装用再開は、眼科医に確認します。ワンデーレンズは、症状の有無にかかわらず一度目から外したものを再装着できません。繰り返し使うタイプも、傷や破損のあるものは使用しないでください。
参考サイト:CDC「コンタクトレンズに関連する眼感染症」
参考サイト:日本コンタクトレンズ協会「コンタクトレンズの使用方法について」
眼科へ相談するときに伝えることと、繰り返さないための見直し
「レンズを取ってもらうだけで受診してよいのかな」と遠慮する必要はありません。安全に外せないときや、残っているか判断できないときも、眼科に相談できます。
試したことと症状を、短く整理して伝える
受診先へ連絡するときは、単に「取れない」と伝えるだけでなく、次の情報も添えると状況が伝わりやすくなります。
- 右目・左目のどちらか、ソフト・ハードのどちらを使っているか
- いつ装着し、いつから外せなくなったか
- 痛み・充血・まぶしさ・見えにくさの有無
- レンズが見えるか、破れや欠けが疑われるか
- つけたまま寝たか、水に触れたか、どの目薬や器具を使ったか
眼科では、レンズが残っているかと目の状態を確認し、必要に応じて取り外しや治療を行います。処置の内容は状態によって異なるため、「必ず数分で終わる」「痛みはない」とは一律にいえません。
見えづらさがあるときは自分で運転せず、付き添いや別の移動手段を検討してください。手元にメガネやレンズの製品名がわかるものがあれば、持参すると説明に役立ちます。
何度も張り付くなら、乾燥と使い方を相談する
外れにくさが繰り返される場合は、取り方の問題だけと考えず、目の乾燥やレンズの状態、装用時間、つけたまま寝る習慣などを振り返りましょう。コンタクトレンズの装用が涙の状態に影響することもあります。
「一日○時間までなら誰でも大丈夫」という基準ではなく、眼科で指示された装用時間と交換期限を守ります。帰宅後にメガネへ替えるなど、外す時間を生活の中に組み込むと、つけっぱなしを避けやすくなります。
画面に集中する時間を区切ったり、空調の風が直接当たらない位置へ移動したりする工夫もできます。ただし、生活上の対策だけで治ると考えず、乾燥や違和感が続く場合は診察を受けてください。
日常のチェックについては、コンタクトレンズの定期検診も参考になります。外しにくかった時間帯や作業内容をメモしておくと、相談のきっかけになります。
参考サイト:日本眼科医会「防ごう目のトラブル!!コンタクトレンズの眼合併症」
まとめ
コンタクトレンズが取れないときは、焦って何度も目を触らず、まず症状とレンズの位置を確認しましょう。乾燥して張り付いているソフトレンズは、まばたきや使用可能な目薬で潤いを補い、無理なく動く状態になってから外します。
一方、痛み・充血・見え方の異常がある、位置がわからない、破片が残った可能性がある場合は、自分で操作を続けず眼科へ相談してください。症状がなくても、安全に外せなければ受診してかまいません。
爪や水、慣れない器具で解決しようとせず、「取ること」より「目を傷つけないこと」を優先するのが大切です。外れた後も異常が続くときは再装着を控え、原因と今後の使い方を確認してもらいましょう。