「メガネが合わなくなった気がするけれど、眼科へ行くべき?」「眼鏡店の無料測定だけでも作れる?」。検査を受ける場所で迷う方は多いですよね。
眼科と眼鏡店では、見え方を調べる目的が異なります。眼科は見えにくさの原因や目の状態を診察し、必要に応じてメガネを処方する場所です。眼鏡店は、作製に必要な測定やレンズの提案、掛け具合の調整を行います。初めて作る方や子ども、目の症状がある方は、眼科での確認を先に考えましょう。
この記事では、両者の役割、受診したいケース、検査の内容、処方箋から作製へ進む手順を解説します。なお、急に見えにくくなった場合は、通常のメガネ購入の予定を待たず、速やかに眼科へ相談してください。
参考サイト:JINS「メガネ(眼鏡)の作り方~購入時の注意点~」
参考サイト:日本眼科学会「急に見にくい(急激な視力低下)」
眼科と眼鏡店では検査の目的が違う
同じような機械や視力表を使っていても、「どこまで判断できるか」は同じではありません。どちらが優れているかという比較より、目の診察とメガネの作製を分けて理解すると選びやすくなります。
| 比較する点 | 眼科 | 眼鏡店 |
|---|---|---|
| 主な役割 | 目の状態や見えにくさの原因を診察する | メガネを作製し、使いやすい状態に合わせる |
| 見え方の確認 | 視力・屈折などを調べ、診察と合わせて判断する | 使用目的を聞き、作製に必要な測定をする |
| 病気の診断 | 医師が診断し、必要な治療につなげる | 店頭測定では病気を診断できない |
| メガネへのつなげ方 | 必要に応じて眼鏡処方箋を発行する | 処方箋や測定情報に基づき、加工・調整する |
眼科は「なぜ見えにくいのか」を確認する
見えにくくなった原因は、近視や乱視、老眼だけとは限りません。眼科では、症状や検査結果をもとに医師が診察し、メガネで対応できるのか、治療や追加の検査が必要かを判断します。
検査を担当するのは、医師だけとは限りません。視能訓練士などのスタッフが測定を行い、その結果を医師が診察に用いることもあります。「医師が直接すべて測るか」より、検査と診察を通じて目の状態を確認できる点が大切です。
また、眼科で処方するときにも、仕事や勉強、運転などの使用目的を伝えます。目の健康を調べることと、生活に合う見え方を相談することは、別々に切り離されているわけではありません。
参考サイト:北里大学北里研究所病院「診療技術部(視能訓練科)」
参考サイト:消費者庁「眼鏡の不適合による体調不良等に注意!」
眼鏡店は測定と作製・調整を担当する
眼鏡店では、現在のメガネの見え方や困りごとを聞き、レンズを通した見え方、瞳孔の位置、フレームをかけた状態などを確認します。処方箋を持参した場合は、受付で最初に渡して、その内容をもとに作製を相談しましょう。
店頭には、眼鏡の知識や作製技能に関する国家検定資格「眼鏡作製技能士」を持つスタッフがいる場合もあります。ただし、この資格と、医師による病気の診断は役割が異なります。
店頭で文字が読めたからといって、目の病気がないと分かるわけではありません。反対に、眼科で処方箋をもらった後も、レンズを顔に合う位置へ合わせる店頭での確認は必要です。両方をつないで完成させる、と考えましょう。
参考サイト:日本眼鏡技術者協会「眼鏡作製技能士について」
参考サイト:JINS「メガネ(眼鏡)の作り方~購入時の注意点~」
先に眼科を受診したいケース
検査先は、費用や近さだけで決めず、見え方が変わった経緯や症状も踏まえて選びます。特に次のようなケースでは、レンズの度数だけを変える前に眼科で相談してください。
初めて作る人・長く受診していない人
初めてメガネを作るときは、自分の見えにくさが何によるものか、まだ確認できていないことが多いものです。まず眼科で診察を受け、メガネが必要か、どのように使うかを相談しましょう。
以前に受診したことがあっても、何年も目の状態が変わらないとは限りません。「前に異常なしと言われたから、今の見えにくさも度数の問題」とは判断しないことが大切です。
通院中の目の病気がある方は、買い替えたいことをかかりつけ医に伝えてください。メガネを作る時期も含めて確認しておくと、治療と作製を進めやすくなります。
参考サイト:JINS「メガネ(眼鏡)の作り方~購入時の注意点~」
子どもは健診結果や見方の変化も伝える
子どもは、自分では見えにくさに気づかなかったり、うまく説明できなかったりします。学校や園の健診で受診を勧められたときは、本人が困っていないと言っていても、結果を持って眼科へ行きましょう。
また、子どもはピントを合わせる力が強く、通常の測定だけでは屈折の状態を捉えにくいことがあります。眼科では必要に応じて、その働きを一時的に休ませる点眼薬を使って調べます。点眼の方法や検査の日程は医師の指示に従ってください。
メガネをかけ始めた後も、視力の発達や目の状態に応じた確認が必要です。買い替えのたびに保護者が度数を決めるのではなく、通院と店頭での掛け具合の調整を続けましょう。
参考サイト:日本眼科医会「子どもの遠視」
急な見え方の変化や目の症状がある人
「遠くがぼやけるから近視」「二重に見えるから乱視」と、症状だけで原因を決めることはできません。次のような変化は、メガネの注文時の要望として伝えるだけで済ませないようにしましょう。
- 急に視力が落ちた、片目だけ見えにくくなった
- 視野の一部が欠ける、カーテンがかかったように感じる
- 黒い点や糸のようなものが急に増えた、光が走って見える
- 目の痛みや充血を伴って見えにくい
- 物が二重に見える状態が新たに出た
- メガネをかけても見えにくさやかすみが続く
特に急な視力低下や視野の変化は、速やかな受診が必要です。見えにくさに痛みがない場合も、様子見だけで済ませないでください。受診先には「いつから」「片目か両目か」「何が変わったか」を伝えます。
光が走る感じと飛蚊症が一緒に現れる場合も、網膜の病気が関係することがあるため、早めの眼科受診が勧められています。急いでメガネを作ることより、変化の原因を確かめることを優先しましょう。
参考サイト:日本眼科学会「急に見にくい(急激な視力低下)」
参考サイト:日本眼科学会「光が飛んで見える、チカチカする」
メガネの検査では何を調べる?
メガネの検査は、視力表の数字を出して終わりではありません。どの程度見えるか、どのレンズで見やすくなるか、目に異常がないかを、必要な検査で確かめていきます。
視力とレンズの度数は別の情報
視力は、細かいものをどの程度見分けられるかを表すものです。メガネをかけない「裸眼視力」と、レンズで補正した「矯正視力」があります。一方、屈折検査は近視・遠視・乱視などの状態を調べる検査です。
たとえば「裸眼視力が0.3だった」という結果だけでは、必要なメガネの度数は決まりません。同じ視力の人でも屈折の状態は異なるため、他人のメガネの数値を参考に注文することも避けましょう。
健康診断の視力結果や、自宅で行う視力チェックは、眼鏡処方箋の代わりにはなりません。数値の意味を詳しく知りたい方は、メガネの度数と視力の違いも参考にしてください。
参考サイト:東京大学保健センター「視力」
参考サイト:北里大学北里研究所病院「診療技術部(視能訓練科)」
眼科では必要な検査と診察を組み合わせる
眼科で行う検査の例は、次のとおりです。全員が同じ検査を受けるわけではなく、症状や年齢、これまでの病歴などによって内容が変わります。
| 検査の例 | 主に調べること |
|---|---|
| 視力検査 | 裸眼やレンズを通した状態で、どの程度見えるか |
| 屈折検査 | 近視・遠視・乱視など、目の屈折の状態 |
| 眼圧検査 | 眼球内の圧力 |
| 眼底検査・眼底撮影 | 目の奥の網膜や視神経などの状態 |
必要に応じて視野検査などが加わることもあります。眼圧や視力の数値が一つ分かっただけで、すべての病気の有無が判断できるわけではありません。結果は医師の説明と合わせて受け止めましょう。
また、瞳を広げる散瞳薬を使うと、その後しばらくまぶしさや見えにくさが生じます。散瞳検査が予定されている場合は自分で運転して来院せず、帰宅方法や当日の仕事について事前に確認してください。
参考サイト:北里大学北里研究所病院「診療技術部(視能訓練科)」
試したレンズでの違和感も検査中に伝える
見え方の確認では、「よく見えるほうを選ばなくては」と無理をする必要はありません。判断しにくいときは「違いが分からない」、ぼやけるときは「ぼやける」と、そのまま答えてください。
試験用のレンズで遠くが見えても、手元の資料が読みにくい、床が傾いて感じるなどの違和感があれば伝えます。デスクワーク用なら画面との距離、運転用ならその用途も先に共有しましょう。
今のメガネの良い点も参考になります。「遠くは不便だが手元は楽」「長くかけると右側が気になる」など、困りごとと使い心地を分けて話すと、比較しやすくなります。
検査前に準備しておきたいこと
受診の目的と生活の中の困りごとを伝えられるようにしておくと、当日の説明がしやすくなります。予約や持ち物は、受診先の案内を確認して準備しましょう。
予約時に眼鏡処方を希望していると伝える
予約や問い合わせでは、「視力を測りたい」だけでなく「メガネを新しく作りたい」「今のメガネが合わない」と伝えます。眼鏡処方の予約が必要か、別の日の検査になる可能性があるかも確認してください。
費用は、初診か再診か、検査内容、保険診療の扱いや自己負担割合などで変わります。一律にいくらとは決められないため、心配な場合は受付へ目安を尋ねましょう。診察・検査の費用と、眼鏡店で支払う商品代金は分けて考えます。
受診当日は、医療機関が案内する保険資格の確認に必要なもの、診察券があれば用意します。使用中のメガネ、過去の処方箋、お薬手帳や健診結果も、該当するものを持参すると説明に役立ちます。
コンタクトレンズと当日の予定を確認する
コンタクトレンズを使っている場合は、種類や装用状況を受診先へ伝えてください。いつ外すべきかは検査内容などで異なるため、自分で一律の時間を決めず、事前に確認します。必要に応じて、ケースや代わりのメガネも準備しましょう。
検査後すぐに運転や細かな作業の予定を入れる前に、散瞳などの予定がないか確認しておくことも大切です。診察の結果、追加の検査が必要になる場合もあるため、時間には余裕を持たせてください。
なお、眼鏡店での測定が無料か、購入せず測定だけでも相談できるかは店舗のサービス内容によります。無料という理由だけで、必要な眼科受診を省く判断はしないようにしましょう。
参考サイト:北里大学北里研究所病院「診療技術部(視能訓練科)」
参考サイト:JINS「安心サポート」
処方箋をもらったら眼鏡店でどう進める?
眼鏡処方箋は、診察や検査を踏まえて作るメガネの情報を伝えるものです。手元に届いたら、内容を自己判断で変えず、眼鏡店へ渡して作製を相談します。
使用目的・有効期間・指示を確認する
処方箋には、球面度数、乱視度数・軸、瞳孔間距離などが記載されます。遠くを見るためか手元用か、レンズに関する指示があるかも確認しましょう。すべての欄に数値が入るとは限らないので、空欄を自分で埋める必要はありません。
有効期間の記載があれば、その期間内に相談します。書かれていない場合や期限が過ぎている場合は、発行した眼科や眼鏡店へ確認してください。「以前の処方箋だから、いつでも同じものが作れる」とは考えないようにします。
分からない記号があっても、自分で解釈して数値だけを抜き出さず、処方箋全体を見てもらうと確実です。右目・左目の取り違えや、使用目的の伝え忘れを防ぐことにもつながります。
参考サイト:JINS「度数情報を登録して購入」
店頭では処方箋と普段の使い方を共有する
処方箋を持っているときの進め方は、次のように整理できます。
- 受付で処方箋を渡し、眼科で説明された使い方を伝える
- 今のメガネと、普段見るもの・距離を共有する
- 処方内容に対応するレンズとフレームを相談する
- 必要な位置の測定を受け、料金・完成予定・保証を確認する
- 完成したメガネをかけ、見え方と掛け具合を確かめる
処方箋があっても、フレームをかけた位置など、作製のために確認することは残ります。一方、処方内容に疑問がある場合は、その場で別の度数に置き換えず、処方した眼科への確認につなげてもらいましょう。
フレームやレンズ選びを含む全体の流れは、初めてのメガネの作り方で紹介しています。完成までの日数が気になる方は、メガネを作る時間と即日受取の条件も確認してください。
完成後に合わないときは購入店と処方元へ相談する
完成したメガネが合わないと感じても、必ずしも度数だけが原因とは限りません。購入店では、処方どおりに作られているか、フレームの位置や掛け具合に問題がないかを確認してもらいましょう。強い不調を我慢して慣らす必要はありません。
処方箋で作製した度数を変える場合は、処方元への相談が必要になることがあります。たとえばJINSは、処方箋で作ったメガネの度数を店頭測定で変更せず、再受診後の新しい処方箋を持参するよう案内しています。保証の期限や必要な書類も購入店へ確認してください。
目の症状がある場合や、調整しても見えにくさが改善しない場合は、眼科で目の状態を確認してもらいます。「いつから、何を見るときに、どのように困るか」を伝えると相談しやすくなります。
参考サイト:JINS「処方箋で作成したメガネの度数が合わない」
参考サイト:消費者庁「眼鏡の不適合による体調不良等に注意!」
まとめ
メガネの検査では、眼科の診察と眼鏡店の測定・作製に、それぞれ異なる役割があります。初めて作る方や子ども、見え方の変化や目の症状がある方は、まず眼科へ相談しましょう。特に急な視力低下や視野の変化は、購入の予定を待たずに受診することが大切です。
検査では今のメガネの使い心地と、見たい距離や用途を具体的に伝えてください。処方箋を受け取ったら、有効期間や指示を確認し、内容を変えずに眼鏡店へ渡します。完成後も見え方と掛け具合を確かめ、合わないときは購入店や処方元へ相談しましょう。視力の数字だけで判断せず、目の状態と生活の両方に合うメガネを目指すことが大切です。