旅行にコンタクトレンズを持っていくとき、「予備は何枚あればよい?」「洗浄液を忘れたらどうしよう」と迷うことはありませんか。いつも使っているレンズでも、移動が長引いたり、慣れない洗面台で落としたりすると困ってしまいます。
準備の基本は、処方されているレンズと必要なケア用品をそろえ、途中でメガネへ切り替えられるようにしておくことです。旅行用だからと急に別の製品へ替えたり、現地で買えるはずと考えて予備を省いたりしないようにしましょう。
この記事では、出発前の確認、持参数の考え方、荷造りと宿泊先でのケア、紛失・破損や目の不調への備えを説明します。
旅行前に、レンズ・メガネ・日程を確認する
荷造りを始める前に、いまのレンズで無理なく過ごせているかを振り返りましょう。度数だけでなく、装用時間や交換日、旅先でケアできる場所も確認しておくと、必要な持ち物が決めやすくなります。
気になる症状やレンズの変更は、出発前に眼科で相談する
最近かすむ、乾きや充血が繰り返し起こる、しばらくレンズを使っていないという場合は、出発前に眼科で相談してください。コンタクトレンズは度数が同じでも、形状や素材などによって目への合い方が異なります。
旅行を機にワンデーへ替えたい場合も、自己判断で注文せず、眼科で適合と使い方を確認します。出発当日に初めてつける予定にせず、普段の生活で見え方や着脱を確かめる時間を取りましょう。現在の度数に合うメガネも一緒に準備しておくと、レンズを外した後の移動に備えられます。
参考サイト:日本眼科医会「コンタクトレンズ関連情報」
ワンデーには手軽さがあるが、再使用型にも決められたケアがある
ワンデーは一度外したら捨てるため、使用済みレンズの洗浄・保存をする必要がありません。旅先でケアの時間を取りにくい方には、眼科で相談する選択肢になります。ただし、手洗いを省けるわけではなく、長時間つけても大丈夫という意味でもありません。
2週間交換などの再使用型やハードレンズを使う場合は、そのレンズに合った用品とケアの時間を確保します。「国内ならいつものレンズ、海外なら必ずワンデー」と分けるより、現在の処方、滞在日数、清潔に扱える環境を合わせて考えましょう。
| 使うレンズ | 旅行中の準備のポイント |
|---|---|
| 1日使い捨て | 日数分と予備を用意。一度外したものは、同じ日でも再使用しない |
| 2週間・1か月交換などのソフト | 指定の洗浄・消毒・保存用品とケースを用意。旅行中に交換日が来ないか確認する |
| ハードレンズ | ハード用の指定用品とケースを用意。ソフト用と同じ方法でよいと判断しない |
使用する製品や装用時間は眼科医の指示に従います。短い旅行でも、交換期限を延ばしたり、使った日数だけを数えて交換日を先送りしたりしないでください。
参考サイト:日本コンタクトレンズ協会「コンタクトレンズの使用方法について」
参考サイト:CDC「About Cleaning, Disinfecting, and Storing Contact Lenses」
予備は何枚必要?持参数と持ち物の考え方
必要数は「何泊するか」だけでは決まりません。出発日と帰宅日も含めて何日使うか、途中で外して再び使う予定があるか、予定が延びたときにメガネで過ごせるかを考えます。
ワンデーは左右別に、使用日数と追加で使う分を数える
両眼に毎日ワンデーを1枚ずつ使うなら、基本の枚数は「使用日数×2枚」です。たとえば3泊4日で4日とも使用する場合は8枚となります。そこへ1日分の予備を加えるなら計10枚、2日分なら計12枚です。
以下は荷造りの計算例で、すべての旅行に必要十分な枚数を示すものではありません。左右の度数が異なる方は、合計枚数だけでなく、右用・左用がそれぞれ足りるかを確認しましょう。
| 使用予定 | 通常使う分 | 予備を加えた計算例 |
|---|---|---|
| 1泊2日・両日使用 | 右2枚+左2枚=4枚 | 1日分を加えると右3枚+左3枚=6枚 |
| 3泊4日・全日使用 | 右4枚+左4枚=8枚 | 1日分を加えると計10枚、2日分なら計12枚 |
| 6泊7日・全日使用 | 右7枚+左7枚=14枚 | 2日分を加えると右9枚+左9枚=18枚 |
仮眠や入浴の前に外し、その後また装用する日は、ワンデーでは新しいレンズが必要です。その予定分は、紛失などに備える予備とは別に数えておきます。移動の遅延や予定変更があり得る旅行では、追加分とメガネで過ごす選択肢を組み合わせてください。
再使用型は、交換日と紛失した場合の代わりを確認する
再使用型のソフトレンズは、滞在中に交換時期が来るなら、その日から使う未開封のレンズが必要です。さらに、破損・紛失時に使える予備があるかも確認します。予備の量は日程や調達のしやすさで変わるため、一律に「1組あれば十分」とは考えないようにしましょう。
ハードレンズなどで予備をすぐに用意できない場合は、メガネで旅行を続けられる準備が特に重要です。いずれも、使用期限、包装の傷み、左右の製品・度数を出発前に確認しておきます。
参考サイト:CDC「Preventing Eye Infections When Wearing Contacts」
出発前の持ち物チェックリスト
レンズだけをそろえても、外した後のメガネや指定のケースがなければ困ります。実際に使う場面を思い浮かべながら、次のものをまとめて確認してください。
- 処方されているレンズの必要数と予備。左右・使用期限も確認する
- 現在の度数に合うメガネと、持ち歩くためのケース
- 再使用型に必要な洗浄・消毒・保存用品と、製品に合う清潔なケース
- 手洗い後に手を乾かすための清潔なタオルなど
- 必要な点眼薬。そのレンズの装用中に使えるか、使い方も確認する
- 製品名・左右の度数がわかる箱や記録、かかりつけ眼科の連絡先
- 海外の場合は、現地の受診先候補や加入保険の相談窓口の情報
点眼薬は「防腐剤なし」と書かれていることだけで選ばず、レンズとの適合と用法を確認します。メガネも、古い予備をそのまま入れるのではなく、現在の見え方に合っているものを持っていきましょう。
ケア用品の荷造りと、宿泊先での扱い方
荷物を小さくする工夫は便利ですが、衛生管理や製品の使い方まで変えないことが大切です。必要な量を、表示がわかる容器のまま持参し、滞在先でも普段どおりの手順を守れるようにします。
洗浄液は別容器へ詰め替えず、すぐ使うものは手荷物に
コンタクトレンズ用の液を旅行用の空ボトルへ移すと、衛生状態を保てなかったり、中身を取り違えたりするおそれがあります。容量を減らしたいときは、普段のケアに使える製品の小容量ボトルなどを選び、製品の容器のまま持参してください。
開封後の使用期限も確かめます。以前の旅行で残った液だからと、いつ開けたかわからないものを持っていくのは避けましょう。使った液の再利用や、新しい液の継ぎ足しもしないでください。
参考サイト:FDA「Contact Lens Solutions and Products」
移動中に必要なレンズ、メガネ、ケア用品は取り出しやすい手荷物に入れます。予備を別の荷物にも分ける場合は、ひとつの荷物を受け取れなくても、手元の用品とメガネで対応できるかを考えてください。
飛行機では、液体物や製品の成分によって持ち込み条件の確認が必要です。容量だけで判断せず、利用する航空会社・空港の案内を確認しましょう。詳しくはコンタクトレンズと洗浄液の機内持ち込みルールで解説しています。
再使用型は、洗浄・消毒の時間とケースの手入れを省かない
宿泊先では、手洗いをして十分に手を乾かせる場所を確保します。洗面台で扱う場合は、排水口へ落とさないよう周囲を確認し、レンズやケースを汚れた台に直接置かないようにしましょう。
再使用型のソフトレンズは、製品で指定された洗浄・消毒を行います。消毒液へ入れればすぐに使えるわけではありません。特に過酸化水素のケアシステムでは、指定のケースや中和の手順・時間を守る必要があります。荷物を減らすために別のケースで代用したり、朝の出発に合わせて処理時間を短くしたりしないでください。
ソフトレンズやそのケースのケアに水道水を使ったり、水でレンズを保存したりしないことも大切です。ハードレンズはケア方法が異なるため、すすぎに使うものを含めて製品の説明書と眼科医の指示を確認します。ケース自体の洗浄・乾燥も、指定の方法で行ってください。
参考サイト:CDC「About Cleaning, Disinfecting, and Storing Contact Lenses」
参考サイト:日本コンタクトレンズ協会「コンタクトレンズの使用方法について」
洗浄液を忘れたら、水や目薬で代用しない
飲料水や目薬は、レンズの消毒・保存用品の代わりにはなりません。生理食塩水にも消毒効果はないため、「一晩だけなら」と自己判断で代用せず、メガネへ切り替えます。
現地で用品を購入するときも、名称や容器が似ていることだけで決めず、自分のレンズに使える製品か確認してください。使い方がわからない場合は眼科やメーカーへ相談し、適切にケアできるまで装用を控えましょう。
参考サイト:CDC「About Cleaning, Disinfecting, and Storing Contact Lenses」
移動中・入浴・水遊びでは、先に外す予定を立てる
旅行中は、普段より起きている時間が長くなったり、予定外に眠ったりすることがあります。装用時間を延ばして対応するのではなく、どの場面でメガネに替えるかを決めておきましょう。
夜行バスや仮眠のある移動は、メガネを使いやすくしておく
一般的な日中用のコンタクトレンズは、就寝前に外します。夜行バスや飛行機で眠る予定があるなら、出発前など清潔に扱える場所で外し、メガネで乗ると対応しやすくなります。短い仮眠だからと、つけたまま眠らないようにしてください。
空調の風が直接目に当たる場合は風向きを調整し、乾きがつらければ無理に装用を続けません。点眼だけで長時間の装用を乗り切ろうとしないことも大切です。機内での過ごし方は、飛行機でコンタクトレンズを使うときの乾燥対策も参考にしてください。
参考サイト:CDC「Preventing Eye Infections When Wearing Contacts」
温泉やプールでは、水に触れる前にレンズを外す
入浴・シャワー・水泳の前にはレンズを外します。ワンデーでも水に触れるリスクがなくなるわけではありません。プールなどで裸眼では見えにくい場合は、度付きゴーグルを検討しましょう。詳しくはプールでのコンタクトレンズと水濡れ対策で説明しています。
うっかり水に触れた場合は、清潔な手でできるだけ早く外し、ワンデーは捨てます。再使用型は指定の洗浄・消毒を完了するまで再装用せず、異常がある場合は眼科へ相談してください。水に触れた後に新しいレンズへ替えても、痛みや充血があれば装用を再開しないようにします。
参考サイト:CDC「Healthy Habits: Keeping Water Away from Contact Lenses」
紛失・破損・目の不調が起きたときの対応
旅先でレンズを使えなくなったときは、「予備があるから交換する」前に、目に異常がないかを確認します。見えにくい状態で予定を続けず、安全な場所でメガネへ替えてから、その後の行動を考えましょう。
レンズが破れた、片方なくなったとき
破れたレンズは使わず、外します。片方をなくした場合も、見え方が不安定なまま運転や活動を続けず、普段使っているメガネへ切り替えてください。同行者のレンズを借りたり、左右の度数が違うものを代わりに使ったりしないようにしましょう。
目に破片が残ったように感じるときは、指や綿棒で探したり、水をためた洗面器に顔をつけたりせず、眼科へ相談します。痛みや異物感があるまま予備へ交換するのも避けてください。症状がなく予備を使う場合も、手洗い後の清潔で乾いた手で扱います。
参考サイト:日本コンタクトレンズ協会「コンタクトレンズの使用方法について」
痛み・充血・急な見えにくさは、帰宅まで我慢しない
目の違和感、充血、痛み、視力低下があるときは、レンズの使用を中止して早急に眼科を受診してください。「数時間たったら」「帰国してから」と待つ基準にはしないことが大切です。
- 運転や活動を安全に中断し、レンズを扱える場所へ移る。
- 石けんで手を洗って十分に乾かし、普段教わった方法で外す。強く痛む、外せない場合は無理をせず医療機関へ相談する。
- レンズを再装用せず、メガネへ替える。目薬や新品のレンズだけで対処しようとしない。
- 現地の眼科へ連絡し、症状が始まった時刻、レンズの種類、水に触れたことなどを伝える。
- 見え方が悪い場合は自分で運転せず、同行者や宿泊先に移動の手配を相談する。
特に急な視力低下や強い痛みがあるときは、速やかに受診できる医療機関へ連絡します。普段の眼科への相談は役立ちますが、電話だけで現地の診察を先延ばしにしないようにしましょう。
参考サイト:日本眼科医会「コンタクトレンズ関連情報」
海外では、処方内容の記録と受診先の情報を用意する
製品名や左右の度数がわかる箱・記録は、現地で使用状況を伝える助けになります。ただし、度数メモを見せれば必ず購入できる、診察や現地の処方が不要になるというものではありません。必要な手続きや入手できる製品は渡航先で確認し、調達できない場合はメガネで過ごしましょう。
受診先を調べる際は、外務省の「世界の医療事情」や現地の医療機関の案内が参考になります。掲載情報が最新とは限らないため、診療科・受付時間・連絡方法は医療機関へ確認してください。加入している海外旅行保険の相談窓口、医療機関の紹介や通訳などのサービスの有無も、出発前に確かめておくと連絡先を探しやすくなります。
参考サイト:外務省「世界の医療事情」
参考サイト:外務省「海外安全対策:海外で病気になった場合、病院をどうやって探せば良いのですか」
まとめ
旅行中のコンタクトレンズは、処方されている製品を基本に、必要数・予備・メガネを準備しましょう。ワンデーは使用日数に加え、仮眠や入浴で外した後に使う分も数えます。再使用型は交換日と、旅先で指定のケアを続けられるかを確認してください。
洗浄液は詰め替えず製品の容器で持参し、水や目薬で代用しないことが大切です。移動中に眠るときや、水に入る前には外せるよう予定を立てましょう。紛失や破損時はメガネへ替え、痛み・充血・急な見えにくさがあれば、旅行の終わりまで待たず眼科へ相談してください。出発前に製品情報と受診先の連絡先を控えておくことも、慣れない土地で落ち着いて対応するための備えになります。