プールでコンタクトレンズは使える?水に触れるリスクと対策

プールに入るとき、「コンタクトレンズはつけたままで大丈夫?」「外すと周りが見えにくくて不安」と迷う方もいるでしょう。泳ぐときの見え方は大切ですが、コンタクトレンズをつけたまま水に入ることは避け、泳ぐ前に外すのが基本です。

水に触れると、ソフトレンズの変形や目への張り付き、角膜の傷、感染症につながるおそれがあります。ワンデーやゴーグルを使っていても、そのリスクがなくなるわけではありません。見え方を補うには、度付きのスイミングゴーグルなどを検討しましょう。

この記事では、プールでレンズを外す理由、代わりに視力を補う方法、水が触れてしまったときの対処と受診の目安を解説します。

プールではコンタクトレンズを外すのが基本

コンタクトレンズは、水中で使うための視力補正用具ではありません。米国疾病予防管理センター(CDC)も、水泳やシャワーの前にレンズを外すよう案内しています。プールに着いてから困らないよう、レンズを使わずに見え方を確保する方法を準備しておきましょう。

ワンデーやカラコンでも水接触のリスクはある

「終わったら捨てるワンデーなら使えるのでは」と思うかもしれません。しかし、ワンデーは使用後のレンズケアが不要な方式であり、装用中に水が触れることを安全にするものではありません。泳いだ後に捨てても、泳いでいる間の目と水の接触は取り消せません。

度入り・度なしのカラコンも、目の上にのせて使うコンタクトレンズです。見た目の目的で使う場合も同じように外します。ソフトかハードかにかかわらず、「この種類ならプールで使ってよい」と自己判断しないことが大切です。

参考サイト:CDC「Healthy Habits: Keeping Water Away from Contact Lenses」

ゴーグルや短時間の使用を安全の保証にしない

ゴーグルは水の侵入を抑えるために役立ちますが、ずれたり、着脱時に水が入ったりする可能性があります。「ゴーグルをつけるからコンタクトレンズを外さなくてよい」とは考えないでください。

短時間だけ、顔をつけない水中歩行だけという場合も、水しぶきなどの接触を見落とすことがあります。子どもと水遊びをする場面も含め、入水前に外す方法を基本にしましょう。競技や目の状態の事情で見え方の確保が難しい方は、事前に眼科と指導者・施設へ相談してください。

「何分以内なら安全」という一律の時間を決めることはできません。これまで問題がなかった経験だけで、今回も大丈夫とは判断しないようにしましょう。

水に触れると、目やレンズに何が起こる?

プールで避けたいのは、レンズをなくすことだけではありません。レンズ自体の変化に加え、水中の微生物や化学的な刺激も目のトラブルにつながります。見えにくさや痛みを「レンズがずれただけ」と決めつけないために、主なリスクを知っておきましょう。

ソフトレンズが変形し、角膜を傷つけることがある

ソフトコンタクトレンズは、水に触れることで形が変わったり、膨らんだり、目に張り付いたりすることがあります。装用感が変わるだけでなく、角膜に傷をつけ、微生物が入りやすくなるおそれもあります。

水が入ってからぼやけたり異物感が出たりしても、その原因を自分で見分けるのは難しいものです。見え方を直そうとして目をこする、濡れた手でレンズを触る、そのまま泳ぎ続けるといった行動は避けましょう。

レンズが外れて流れてしまうことも考えられます。片目だけ見えにくくなった場合などは、無理に水中で探し続けず、周囲の人やスタッフに助けを求めて安全な場所へ移動してください。

参考サイト:CDC「Healthy Habits: Keeping Water Away from Contact Lenses」

感染症と、プール水による刺激は分けて考える

水が透明に見えても、微生物がいないとは限りません。特に注意したいものに、水や土などにいるアカントアメーバによる角膜感染症があります。まれな病気ですが、治療が難しく、視力に重大な影響を及ぼすことがあるため、予防が大切です。

一方、プール後の赤みやかゆみが、すべて感染症というわけでもありません。プールの塩素が汗や汚れなどと反応して生じる「クロラミン」という物質も、目への刺激の原因になります。

主な問題起こり得ること判断するときの注意
レンズの変形・張り付きなど装用感や見え方の変化、角膜の傷無理につけ続けたり、引っ張って外したりしない
微生物による感染痛み、充血、かすみなど水に触れた後の症状は、早急に眼科へ相談する
プール水などによる刺激赤み、かゆみなど症状だけで感染症との区別はできない

塩素で管理されていることを、コンタクトレンズの消毒と同じようには考えられません。また、赤みを「塩素のせい」と決めつけると、受診が遅れるおそれがあります。気になる症状があれば泳ぐのをやめ、目の状態を確認してもらいましょう。

参考サイト:CDC「Acanthamoeba Keratitis」
参考サイト:CDC「Preventing Eye Irritation from Pool Chemicals」

見えにくいときは度付きゴーグルとメガネを使い分ける

「外すと見えないから、つけたまま泳ぐしかない」と諦める必要はありません。泳ぐ場面と移動する場面を分け、必要な見え方を用意しておくと、コンタクトレンズを水に触れさせずに過ごしやすくなります。

度付きゴーグルは度数とフィットの両方を確認する

度付きスイミングゴーグルは、レンズに度が入っているため、コンタクトレンズを外した状態で水泳中の見え方を補えます。CDCも、レンズなしでは見えにくい方の選択肢として紹介しています。

たとえばSWANSには、用意された度数のレンズを組み合わせる既製タイプと、処方箋をもとに作るオーダーメイドタイプがあります。対応できる度数や乱視への対応は製品によって異なるため、「市販品なら誰でも同じように見える」とは限りません。

左右の度数が違う方や、乱視があって見えにくい方は、そのことを眼科や取扱店に伝えて選びましょう。度数だけでなく、顔に合うサイズ、鼻の部分やベルトの調整、圧迫感、用途も確認してください。初めて使うものは当日に慌てて調整せず、あらかじめ説明書を読み、装着を試しておくとよいでしょう。

参考サイト:SWANS「度付きスイミングゴーグル」
参考サイト:SWANS「スイミングゴーグルの選び方」

更衣室や移動中のメガネも準備する

泳ぐときに度付きゴーグルを使っていても、更衣室や館内の移動では普段のメガネが必要になることがあります。現在の見え方に合うメガネと、保管用のケースを持参しましょう。

プールサイドでメガネを使用できるか、どこに置けるかは施設によって異なります。裸眼で足元や案内が見えにくい場合は、無理に移動せず、事前に利用方法を施設へ相談してください。子どもの授業や習い事では、保護者と指導者でゴーグルの着脱・保管場所を共有しておくことも役立ちます。

出発前には、次の点を確認しておきましょう。

  • 度付きゴーグルの見え方、フィット、ベルトの状態
  • メガネとケースを持っているか
  • 入水前にレンズを外す場所と、石けんで手を洗える場所
  • 手洗い後に手を乾かせる清潔なタオルなど
  • 再使用するレンズを外して保管する場合の、指定のケア用品とケース

度付きゴーグルは、コンタクトレンズをつけたまま泳ぐための道具ではありません。レンズを外した状態で使用し、終わった後は製品の説明に沿って手入れしてください。

うっかりレンズにプールの水が触れたときの対処

水が入ったときは、まず泳ぐのをやめて、できるだけ早くレンズを外します。慌ててプール内で触るのではなく、足元を確認できる場所へ移動し、清潔な手で扱うことが大切です。

外してメガネに切り替え、目の状態を確認する

水が触れた可能性に気づいたら、次の順序で対応しましょう。

  1. 水から上がり、見えにくい場合はスタッフなどに移動を手伝ってもらう。
  2. 石けんで手を洗い、清潔なタオルなどで十分に乾かす。
  3. 目をこすらず、レンズをできるだけ早く外す。張り付いて外せない場合は無理をせず眼科に相談する。
  4. メガネへ切り替え、痛み・充血・見え方の変化などがないか確認する。
  5. レンズの種類に応じて廃棄または適切なケアを行い、症状がある場合は再装用せず受診する。

水に触れたからといって、必ず感染症になるわけではありません。ただし、症状がないことだけでレンズが清潔だと判断することもできません。その場で外してすぐにつけ直すことは避けましょう。

参考サイト:CDC「Healthy Habits: Keeping Water Away from Contact Lenses」
参考サイト:日本コンタクトレンズ協会「コンタクトレンズの使用方法について」

ワンデーは廃棄し、再使用するレンズはケア方法を確認する

ワンデーは、一度外したものを再使用できません。泳いだ時間が短くても、洗って保存して翌日に使うことは避けてください。

CDCは、水に触れたレンズについて、外した後に廃棄するか、再使用する場合は洗浄して一晩消毒してから装用するよう案内しています。ただし、消毒すれば必ず安全になるという保証ではありません。目に症状がある場合は、レンズのケアよりも装用中止と受診を優先します。

レンズ・目の状態外した後の対応避けたいこと
ワンデー廃棄する洗って保存し、つけ直す
2週間交換などの再使用するソフトレンズ廃棄、または指定の方法で洗浄・十分な消毒を行うすすぐだけで再装用する、消毒時間を短縮する
ハードレンズなどで方法が分からない製品の説明書や眼科で対応を確認するソフト用のケア方法をそのまま当てはめる
痛み・充血・見えにくさがある装用を中止し、早急に眼科へ相談する新しいレンズへ替えて泳ぎ続ける

再使用する場合は、レンズに合ったケア用品と新しい液を使い、製品に指定された消毒時間や、中和が必要な方式では中和手順も守ってください。生理食塩水ですすぐだけでは消毒になりません。ソフトレンズを水道水や飲料水で洗ったり、保存したりすることも避けましょう。

ハードレンズはソフトとケア方法が異なります。水接触後にどう扱うか判断できない場合や、傷・変形が疑われる場合は、再使用する前に眼科へ相談してください。

参考サイト:CDC「About Cleaning, Disinfecting, and Storing Contact Lenses」
参考サイト:日本コンタクトレンズ協会「コンタクトレンズの使用方法について」

プール後の痛みやかすみは、数日待たずに眼科へ

プール後の症状を、見た目だけで刺激・傷・感染症に分けることはできません。特にコンタクトレンズをつけたまま水に入った後は、その状況も含めて早めに相談することが大切です。

外しても痛む、見え方が変わった場合はすぐに受診する

目の痛み、充血、まぶしさ、異物感、涙が多い、かすむ・見えにくいといった症状があれば、レンズの使用を中止して早急に眼科へ連絡してください。レンズを外しても痛みが続く場合や、見え方に影響がある場合は、すぐに受診が必要です。

「充血が数日続いたら受診する」と待ったり、目薬で一時的に楽になったことを理由につけ直したりしないでください。市販の目薬で感染の有無を確かめることはできません。新しいレンズに替えても、目に起きたトラブルへの対処にはなりません。

参考サイト:日本眼科医会「防ごう目のトラブル!!コンタクトレンズの眼合併症」
参考サイト:CDC「Acanthamoeba Keratitis」

受診時には、水に触れた状況とレンズの種類を伝える

眼科では、いつプールに入ったか、レンズをつけていたか、水が入った後いつ外したかを伝えましょう。ワンデー・2週間交換・ハードなどの種類、使ったケア用品、症状が始まった時刻も分かる範囲で整理しておくと、状況を説明しやすくなります。

直後に症状がなくても、後から痛みやかすみが出た場合には、水に触れた経緯を伝えて受診してください。装用を再開してよいか不安がある場合も、自己判断で試すより、眼科に確認しましょう。

水との接触を避ける考え方は、プール以外でも共通します。詳しくはお風呂・シャワーとコンタクトレンズサウナでのコンタクトレンズの注意点ダイビング時の視力補正と対策も参考にしてください。

まとめ

コンタクトレンズは、プールに入る前に外すのが基本です。ワンデーやゴーグルを使っていても、水に触れることによるレンズの変化や角膜感染症のリスクはなくなりません。見えにくい方は度付きゴーグルを検討し、移動や更衣室ではメガネを使えるよう準備しましょう。

うっかり水が触れた場合は、手を洗って乾かしてからできるだけ早く外します。ワンデーは廃棄し、再使用するレンズは指定のケア方法を確認してください。すすぐだけでつけ直さないことが大切です。

痛みや充血、まぶしさ、見え方の変化があれば装用を中止し、数日待たずに眼科へ相談しましょう。事前の準備と早めの対応が、目を守りながらプールを楽しむことにつながります。

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