コンタクトレンズ対応の目薬は?点眼前に確認する表示と使い方

コンタクトレンズをつけているときに目が乾くと、「手元の目薬をそのまま使ってよいのかな」と迷うことがあります。コンタクト用と書かれた製品でも、ソフト・ハード・カラーなど、対応するレンズの範囲まで確認することが大切です。

基本はレンズを外して点眼し、装用中に使う場合は、自分のレンズに対応すると明記された製品を表示どおりに使用します。防腐剤の有無や「しみない」という使い心地だけでは判断できません。

この記事では、目薬を選ぶ前に見る表示、点眼の手順、外したレンズを再びつけるときの注意点を解説します。痛みや充血がある場合に、目薬で装用を続けてよいかも分けて考えていきましょう。

コンタクトレンズをつけたまま目薬を使ってもよい?

装用中に点眼できるかどうかは、目薬とレンズの組み合わせで異なります。まずは「コンタクトを使っている人が選べる目薬」と「レンズをつけたまま点眼できる目薬」を分けて確認しましょう。

原則は、レンズを外して点眼する

日本眼科医会は、基本的にはコンタクトレンズを外した状態で点眼するよう案内しています。点眼薬の成分がレンズに吸着し、レンズの性質や目に影響する可能性があるためです。

とくに、防腐剤のベンザルコニウム塩化物は、ソフトコンタクトレンズへの吸着に注意が必要です。名称は「塩化ベンザルコニウム」「BAK」と記載されることもあります。ただし、この成分がなければすべて装用中に使える、という意味ではありません。

処方された目薬は、薬を受け取るときにコンタクトを使っていることを伝え、外して点眼する必要があるか確認してください。ハードレンズの場合も、一律に使用可能と考えず、その薬の説明と眼科の指示を確認します。

参考サイト:日本眼科医会「防ごう目のトラブル!!コンタクトレンズの眼合併症」

「使用できる」の対象に、自分のレンズが含まれるかを見る

市販の目薬を装用中に使う場合は、箱や添付文書の「用法・用量」「使用上の注意」を読みます。目立つキャッチコピーだけでなく、小さな注記まで確認しましょう。

表示・説明の例確認すること点眼するときの考え方
ソフト・ハード装用中に使用できる使用中のレンズが対象か、除外条件がないか対象に含まれる場合に、表示された用法・用量を守る
カラーコンタクトレンズを除くサークルレンズを含め、着色のあるレンズではないか対象外のレンズをつけたまま使用しない
ソフトコンタクトレンズ装着中は使用しない外して点眼する方法と、再装用の条件点眼前に外し、再装用は個別の説明に従う
装用中に使えるか分からない製品名とレンズの種類を薬剤師などに伝える推測して使わず、確認する

同じブランドの目薬でも、製品によって対応範囲は異なります。別の商品で使えた経験を、そのまま新しく買う商品へ当てはめないようにしてください。

たとえば「ロートリセコンタクトw」は、公式情報でカラーを含むコンタクトへの対応が示されています。一方、対応範囲に除外条件を設けている目薬もあります。これは特定の商品を勧める比較ではなく、手元の製品ごとに表示を確かめるための例です。

参考サイト:ロート製薬「ロートリセコンタクトw」
参考サイト:参天製薬「ソフトサンティアシリーズ」

目薬選びは、防腐剤や清涼感だけで決めない

「防腐剤フリー」「うるおい」「爽快」といった表示は、製品の特徴を知る手がかりです。ただ、それだけで装用中の使用可否や、自分の症状への適否が決まるわけではありません。

防腐剤が入っていなくても、装用中に使えない製品がある

防腐剤の有無は、確認する項目の一つです。目薬には有効成分や添加物が含まれており、使える条件は製品全体として定められています。「防腐剤フリーだから大丈夫」と成分表示だけで判断するのは避けましょう。

実際に「ロートクリニカル抗菌目薬i」の説明書には、ベンザルコニウム塩化物とパラベンを配合していないことと、ソフトコンタクトレンズを装着したまま使用しないことの両方が記載されています。

これは抗菌目薬の使用を勧めるものではありません。特定の防腐剤が入っていないことと、装用中に使えることは、別々に確認する必要があるという例です。

参考サイト:ロート製薬「ロートクリニカル抗菌目薬i 添付文書」

乾燥への用途と、かゆみ・充血などの症状を分けて考える

人工涙液など、涙液の補助や装用中の不快感を効能とする目薬があります。一方、かゆみや充血が気になるからといって、乾燥向けの製品が原因に合うとは限りません。まず、箱に記載された効能・効果と使用上の注意を確認してください。

清涼感の強さや「しみない」という表示は、効き目の強さや、病気がないことを示すものではありません。さした直後にすっきりしても、レンズをつけ続けてよいかは別に判断する必要があります。

すでに眼科で治療中の方は、市販薬を足す前に医師や薬剤師へ相談しましょう。現在使っている薬との組み合わせや、そもそも装用を続けられる状態かを確認できます。

参考サイト:参天製薬「ソフトサンティアシリーズ」
参考サイト:ロート製薬「ロートリセコンタクトw」

点眼の手順と、回数・間隔の守り方

対応する目薬を選んでも、容器が目に触れたり、必要以上に繰り返し点眼したりすると、適切に使えません。毎日の動作を見直し、薬の説明に沿って使いましょう。

手を洗い、容器の先を触れさせずに点眼する

点眼前に製品名と使い方を確認し、必要に応じてレンズを外します。基本的な流れは次のとおりです。

  1. 石けんで手を洗い、清潔にする
  2. 装用中に使えない目薬では、点眼前にコンタクトレンズを外す
  3. 下まぶたを軽く引き、容器の先を目・まぶた・まつ毛・レンズに触れさせず、指示された滴数をさす
  4. 点眼後はまぶたを静かに閉じ、あふれた液を清潔なティッシュなどで拭く
  5. 容器のキャップを閉め、製品の指示に従って保管する

まつ毛に先端が触れると、容器内の汚染につながることがあります。うまく入れようとして先端を近づけすぎず、眼科や薬局で教わった方法を確認してください。目を強くつぶったり、点眼直後に何度もまばたきしたりするのも避けます。

滴数は、処方時の指示や製品の用法・用量に従います。すべての目薬を同じ滴数で使うのではなく、薬ごとの説明を確認することが基本です。

参考サイト:参天製薬「正しい目薬のさし方」

人工涙液でも、回数を自由に増やしてよいわけではない

用法・用量には、1回の滴数と1日の使用回数が記載されています。「人工涙液だから何回でも」「防腐剤がないから多く使ってもよい」と考えず、表示や処方の範囲で使用してください。

何度もささないと乾きが気になるときは、目薬を増やすだけで対応しないことが大切です。装用時間やレンズの状態、目の状態を眼科で確認してもらいましょう。点眼で一時的に楽になっても、決められた装用時間を延ばす理由にはなりません。

2種類以上の目薬を使う場合、参天製薬は一般的な目安として5分以上の間隔を案内しています。ただし、順番や間隔に別の指示がある場合はそちらを優先します。この間隔は「次の目薬をさすまで」の話であり、「コンタクトを戻してよい時間」と同じではありません。

参考サイト:参天製薬「目薬について、知っておきたいこと」

点眼後、コンタクトレンズはいつからつけられる?

レンズを外して点眼した後は、薬の説明と目の状態の両方を確認します。時間がたったことだけで、装用を再開できるとは限りません。

再装用までの時間は、その目薬の指示を確認する

再装用までに必要な間隔は、製品ごとに確認します。ネットで見かけた「5分」「10分」などの数字を、すべての点眼薬に共通する決まりとして使わないようにしましょう。

たとえば、チモロール点眼液「ニッテン」の添付文書では、ソフトコンタクトレンズへの成分の吸着に関連して、レンズを外し、点眼後5〜10分間あけて再装用するよう記載されています。これはその製品の指示です。別の点眼薬や、医師から装用を止められている場合に、そのまま当てはめるものではありません。

薬の説明書に再装用の案内が見当たらなければ、製品名を伝えて医師・薬剤師に確認してください。処方薬を朝晩のレンズ着脱に合わせたい場合も、自分で点眼回数や時刻を変えず、生活に合う使い方を相談しましょう。

参考サイト:PMDA「チモロール点眼液『ニッテン』電子添文」

治療中の再開判断と、ワンデーの再使用に注意する

目の病気の治療中は、点眼時だけ外せばよいとは限りません。炎症などの状態によって装用自体を休む必要があるため、再開時期を担当医へ確認します。長期の点眼治療については、緑内障とコンタクトレンズの注意点でも解説しています。

また、ワンデータイプは、一度目から外したレンズを再使用できません。点眼のために短時間外しただけでも、同じレンズを戻さないでください。再び装用できる条件が整っている場合に、新しいレンズを使います。

再使用するタイプでも、外したレンズの扱いは指定されたケア方法に従います。目薬をさしたことや、保存液にしばらく入れたことが、洗浄・消毒を省略できる理由にはなりません。

参考サイト:日本眼科医会「防ごう目のトラブル!!コンタクトレンズの眼合併症」
参考サイト:アキュビュー「ユーザーガイド:コンタクトレンズの装用とはずし方」

目薬と装着液の違い、開封後の管理も確認する

コンタクト関連の液剤には、目にさすもの、レンズをつける前に使うもの、ケアに使うものがあります。容器の見た目が似ていても、用途を取り違えないことが大切です。

「コンタクト用の液」でも、使う場面が異なる

製品を手に取ったら、何のための液かを確認しましょう。点眼と装着の両方に使える製品もありますが、その場合も使い方は用途ごとに示されています。

種類主に使う場面確認したいこと
目薬・点眼薬目に直接さす装用中の使用可否、滴数・回数、効能・効果
コンタクトレンズ装着液装着前のレンズをぬらす対応レンズと使用方法。点眼にも使えるかは個別に確認
洗浄液・保存液などのケア用品外したレンズのケアに使う洗浄・消毒・保存などの用途。目薬の代わりにしない

たとえば「ロートリセコンタクトw」には、点眼と装着時のそれぞれに用法・用量があります。兼用できる製品があるからといって、ほかの装着液や保存液も目にさせると考えないようにしてください。

参考サイト:ロート製薬「ロートリセコンタクトw」

使用期限と、開封後に使える期間を分けて管理する

箱や容器に記載された使用期限は、通常、未開封で適切に保存した場合の期限です。開けた後もその日まで使えるとは限りません。開封後の使用期間は、製品の説明や薬局での案内に従い、開封日を外箱などに記録しておくと確認しやすくなります。

1回使い切りタイプは、残液を翌日用に取っておかず、説明書に従って廃棄します。ボトル入りも含め、家族や友人と共用したり、別の容器へ移し替えたりしないでください。

保存場所や温度も製品の指示を確認します。冷蔵庫に入れれば一律に長持ちするわけではありません。液の濁りや浮遊物など、通常と異なる状態が見られた場合は、期限内でも使用をやめ、薬剤師などへ相談しましょう。

参考サイト:参天製薬「目薬について、知っておきたいこと」
参考サイト:ロート製薬「ロートクリニカル抗菌目薬i 添付文書」

目薬で装用を続けず、眼科へ相談したいとき

装用中に使える目薬でも、目の異常をすべて解決できるわけではありません。乾きや違和感が続くときは、製品を次々と替える前に、レンズと目の状態を確認することが大切です。

痛み・充血・見え方の変化があるときは外す

痛み、充血、涙や目やにの増加などがあれば、コンタクトレンズの装用を中止します。外しても痛みが続く場合や、見えにくさなど視力への影響がある場合は、速やかに眼科を受診してください。

症状を目薬で抑えながら装用を続けたり、「乾燥だろう」と決めて様子を見続けたりしないことが大切です。ゴロゴロ感について詳しく知りたい方は、コンタクトレンズで目がゴロゴロする原因と受診目安、合併症についてはコンタクトレンズで起こる目の病気も参考にしてください。

参考サイト:日本眼科医会「防ごう目のトラブル!!コンタクトレンズの眼合併症」

相談するときは、目薬とレンズの製品名を伝える

「コンタクト用の目薬です」だけでは、成分や対応するレンズを特定できません。箱や説明書、製品名が分かる写真などを用意すると、確認が進みやすくなります。

  • 使っている目薬の製品名、1回の滴数と1日の使用回数
  • 処方薬と市販薬を併用しているか
  • レンズの製品名と、ソフト・ハード・カラーなどの種類
  • 症状が始まった時期と、点眼や装用との関係
  • レンズを外した後も、痛みや見え方の変化が続くか

相談のために症状を再現しようと、無理につけ直す必要はありません。現在の状態と、それまでの使い方を伝えてください。

まとめ

コンタクトレンズ対応の目薬は、装用中に使える表示と、対応するレンズの種類を確認して選びます。基本は外して点眼し、防腐剤フリーや清涼感だけで使用可否を決めないことが大切です。点眼時は手を洗い、容器の先を触れさせず、製品や処方の用法・用量を守りましょう。

再装用までの時間は薬ごとの説明を確認し、治療中は装用の再開自体を眼科へ相談します。ワンデーは一度外したレンズを再使用できません。開封後の管理や装着液との違いも確認し、痛み・充血・見え方の変化があるときは、目薬で装用を続けずレンズを外してください。症状が続く場合は、使用中の目薬とレンズの情報を持って眼科を受診しましょう。

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