コンタクトレンズで目が乾く・ドライアイになる原因と対策

「夕方になるとコンタクトレンズが乾く」「目薬をさしても、またゴロゴロする」と感じていませんか。コンタクトレンズは涙の膜に影響するため、目の乾きやドライアイ症状につながることがあります。装用時間や空調、画面を見る習慣が重なっている場合もあります。

ただし、乾いた感じがするだけでドライアイと決めつけることはできません。まず無理な装用をやめ、繰り返す症状は眼科で原因を確認しましょう。この記事では、乾燥する仕組み、今日から見直せる使い方、目薬の注意点、受診と治療の目安を説明します。強い痛みや急な見えにくさがある方は、セルフケアを試す前に眼科へ連絡・受診してください。

コンタクトレンズで目が乾くのはなぜ?

コンタクトレンズは、目の表面を覆う涙と接しています。乾燥を考えるときは、レンズに含まれる水分だけでなく、目の上に涙が安定して広がっているかに注目することが大切です。

涙には、目の表面を覆って守る働きがある

涙は泣くときだけに出るものではありません。普段からまばたきによって広がり、薄い膜となって目の表面を覆っています。この「涙液膜」は、表面の油の層と、その下の水分やタンパク質などを含む層からなります。

涙の膜が崩れやすくなると、目の表面を十分に覆えず、不快感や見えにくさが生じます。ドライアイは、この涙の不安定さが関係する病気です。涙の量が少ない場合だけでなく、量があっても安定してとどまれない場合があります。「涙が出るからドライアイではない」とは言い切れません。

参考サイト:日本眼科学会「ドライアイ」

レンズが涙の膜を分け、乾きやすい状態をつくる

コンタクトレンズをつけると、涙の膜はレンズの前と後ろに分かれます。それぞれの膜が薄くなり、不安定になることが、装用中の乾きに関係すると考えられています。

もともと乾燥感のなかった方でも、レンズをつけると症状が出ることがあります。反対に、以前からドライアイがある方では、装用によって不調が強くなることもあります。そのため、レンズだけを替えるのか、装用を休んで治療するのかは、目の状態を確認して決める必要があります。

参考サイト:日本眼科医会「ドライアイに悩む方へ―生活の注意と治療の目安―」

「乾く」以外に、かすみや疲れとして感じることもある

ドライアイでは、乾燥感だけでなく、ゴロゴロする、かすむ、まぶしい、目が疲れるといった症状もみられます。一方、こうした症状はレンズの汚れや傷、アレルギー、感染症などでも起こります。症状の名前だけで原因を見分けるのは難しいものです。

例えば、「つけてすぐに片目だけ痛む」のと「夕方に両目が乾く」のでは、診察で伝えるべき経過が異なります。時間帯や左右差、外した後の変化を覚えておきましょう。ゴロゴロ感が中心の方は、コンタクトレンズの異物感の原因と対処法も参考にしてください。

参考サイト:日本眼科学会「ドライアイ」
参考サイト:参天製薬「ドライアイの治療」

乾燥を招きやすい使い方・生活環境を確認する

乾燥感は、一つの原因だけで起こるとは限りません。レンズの使い方、目を使う環境、もともとの目の状態を分けて振り返ると、診察でも相談しやすくなります。

長時間の装用や、交換・ケアの不足

つけたまま過ごす時間が長い、交換期限を過ぎている、必要な洗浄や消毒を省いているといった使い方は、目のトラブルにつながります。乾燥だけを気にして、汚れや傷んだレンズを使い続けないことが大切です。

1日の装用時間は、レンズの種類や目の状態を踏まえた眼科医の指示に従います。「誰でも12〜16時間まで使える」といった共通の上限は設けられません。指示された時間内でも不調があれば外し、普段より早く乾くようになったことを相談してください。通常の起きている間に使うレンズは、つけたまま眠らないようにします。

参考サイト:日本眼科医会「防ごう目のトラブル!!コンタクトレンズの眼合併症」

画面への集中、乾燥した室内、顔に当たる風

パソコンやスマートフォンに集中すると、まばたきが減ったり、まぶたが十分に閉じないまばたきになったりすることがあります。涙が広がりにくい状態に、空調の風や低い湿度が重なると、乾燥を感じやすくなります。

仕事中だけつらい方は、レンズの名前だけでなく、席の位置や風向き、休憩の取り方も振り返ってみてください。仕事が終わった後も長時間スマートフォンを見るなど、画面を見る時間が続いていないかも確認しましょう。

参考サイト:ロート製薬「ドライアイの原因・症状・予防法」
参考サイト:日本眼科医会「ドライアイに悩む方へ―生活の注意と治療の目安―」

まぶたの状態、加齢、病気や薬の影響

涙の油分を出すマイボーム腺は、まぶたの縁にあります。その働きの異常もドライアイに関係します。まつ毛の内側を埋めるようなアイメイクで出口を塞いでしまうことにも注意が必要です。

また、加齢や全身の病気、使用中の薬が関係する場合もあります。メガネの日にも乾く、口の乾きも気になる、薬を変更した頃から症状が出た、といったことがあれば眼科へ伝えてください。原因をレンズだけに絞らず、内服薬や目薬も含めて確認してもらいましょう。薬は自己判断で中止せず、処方した医師に相談します。

参考サイト:日本眼科学会「ドライアイ」
参考サイト:ロート製薬「ドライアイの原因・症状・予防法」

目が乾いてつらいときの対処と受診目安

「今日は我慢できそう」と装用を続けるより、いったんレンズを外して対応しましょう。目薬で一時的に楽になったかどうかだけで、使い続けてよいとは判断できません。

まずレンズを外し、メガネへ替える

外出先でも対応できるよう、普段から使えるメガネを持っておくと安心です。不快感が出たときは、次の順に確認してください。

  1. 作業を中断し、手を洗ってコンタクトレンズを外す。
  2. 外したレンズに破れや欠け、目立つ汚れがないか確認する。
  3. メガネへ替え、痛みや見えにくさが残っていないか確認する。
  4. 症状やレンズの異常に応じて眼科へ連絡し、再開の可否を相談する。

ワンデーは、一度外したら再使用できません。短時間しか使っていなくても同じです。再使用するレンズも、傷や破損があるものを戻さず、決められたケアを守ります。乾いて張りついた感じがする、痛くて外せない場合は、無理に引っ張らず眼科に相談してください。

参考サイト:日本コンタクトレンズ学会「消毒方法の特徴と使い捨てレンズのケア」
参考サイト:日本眼科医会「防ごう目のトラブル!!コンタクトレンズの眼合併症」

痛みや見え方の変化があるときは受診を急ぐ

以下は病名を判断する表ではなく、次に取る行動の目安です。「乾燥だろう」と考えて、受診を数日先へ延ばさないようにしてください。

状態対応の目安
強い痛み、急な見えにくさ、外しても続く痛みがある速やかに眼科へ連絡・受診する。診療時間外は眼科の救急対応を確認する
充血、まぶしさ、目やに、涙の増加などを伴う装用を中止して早めに眼科へ相談する。見え方にも影響があれば受診を急ぐ
強い症状はないが、乾燥を繰り返す・装用できる時間が短くなったメガネに替え、目の状態と装用方法を眼科で見直す

レンズを外して楽になった場合も、繰り返すなら原因を確かめることが大切です。外した後の改善だけで、角膜の傷や別の病気がないと判断することはできません。

参考サイト:日本眼科医会「防ごう目のトラブル!!コンタクトレンズの眼合併症」
参考サイト:参天製薬「ドライアイの治療」

普段の乾燥対策は、環境・装用・目薬を一緒に見直す

乾燥を繰り返さないためには、目薬を増やすだけでなく、負担が重なる場面を減らすことも役立ちます。自分の生活で続けやすい工夫を、診察での指示と組み合わせましょう。

画面から目を離し、風向きと湿度を調整する

画面を見続けず、作業の区切りで休憩を入れましょう。まばたきでは、力を込めて何度も目をつぶるより、まぶたをきちんと閉じることを意識します。エアコンや扇風機の風が顔に直接当たらないようにし、室内が乾燥していれば加湿も検討してください。

具体的には、座る向きを変える、送風口から離れる、休憩のときにスマートフォンも置く、といった小さな変更から始められます。対策をしても乾燥が続く場合は、環境だけの問題と考えず受診しましょう。

参考サイト:ロート製薬「ドライアイの原因・症状・予防法」
参考サイト:日本眼科医会「ドライアイに悩む方へ―生活の注意と治療の目安―」

メガネの時間を確保し、レンズの見直しは眼科で行う

帰宅後はメガネへ替えるなど、レンズが必要な場面と外せる場面を考えましょう。「週に何日休めば大丈夫」と一律に決めるのではなく、乾燥が出る時間帯や生活上の必要性を伝え、無理のない装用方法を相談します。

素材や交換周期の変更が選択肢になる場合もあります。ただし、ワンデーなら必ず乾かない、含水率の高低だけで自分に合うものが分かる、とは限りません。目の状態やレンズのフィッティングを確認して選ぶことが大切です。詳しくは、乾きにくく目が疲れにくいコンタクトレンズの選び方で説明しています。

参考サイト:日本眼科医会「コンタクトレンズ関連情報」

目薬は、装用中に使えるかを製品ごとに確認する

目薬はレンズを外して使うことを基本とし、装用中に使う場合は、使用しているレンズに対応すると表示された製品を用法どおりに使います。「ドライアイ用」「防腐剤フリー」という言葉だけで、すべてのレンズをつけたまま使えるとは判断しないでください。

処方された目薬は、点眼中もレンズを使ってよいか、使える場合は点眼後にどれだけ時間をあけるかを医師や薬剤師に確認します。目薬同士の間隔と、レンズを戻すまでの時間も別に確認が必要です。基本の確認方法は、コンタクトレンズ対応の目薬と使い方にまとめています。

目薬をさす回数が増えている、使ってもすぐにつらくなる場合は、追加購入や増量を続ける前に相談しましょう。点眼で装用時間を延ばそうとしないことも大切です。

参考サイト:日本眼科医会「防ごう目のトラブル!!コンタクトレンズの眼合併症」

眼科では何を調べ、どのように治療する?

眼科では、乾燥感が起こる経過と、涙・目の表面・レンズの状態を確認します。レンズの買い替えが必要なのか、ドライアイなどの治療が必要なのかを判断するための受診です。

症状が出る場面と、使っているものを伝える

「乾く」という一言に加え、次の情報を整理しておくと相談が具体的になります。すべてを正確に記録しようとせず、分かる範囲で伝えてください。

  • いつから、どちらの目に、どのような症状が出るか
  • 朝・夕方・画面作業中など、つらくなる場面
  • レンズを外した後や、メガネの日の症状
  • レンズの商品名、交換周期、普段の装用時間
  • ケア用品と目薬の名前、使用回数
  • 内服薬、治療中の病気、目以外の乾燥などの気になる変化

レンズや目薬は、名前の分かるパッケージや写真、お薬手帳が役立ちます。受診当日にレンズをつけて来院してよいかは、予定する検査によって異なるため、医療機関へ確認しましょう。異常がある状態で、診察のために無理につけ直す必要はありません。

参考サイト:参天製薬「ドライアイの治療」

涙の安定性・量と、目の表面の傷を確認する

主な検査には、以下のようなものがあります。必要な検査は医師が選び、症状や診察所見と合わせて判断します。

検査・観察主に確認すること
BUT(涙液層破壊時間)検査まばたき後、目の表面の涙の膜が崩れ始めるまでの時間
シルマー検査専用の試験紙を用いて調べる涙の分泌量
染色検査・顕微鏡による観察角膜や結膜の表面の傷など

自宅で「何秒まばたきを我慢できるか」を測ることは、眼科のBUT検査と同じではありません。自分で診断したり、数値がよさそうだから受診をやめたりせず、気になる症状を診察で伝えてください。

参考サイト:日本眼科学会「ドライアイ」
参考サイト:参天製薬「ドライアイの治療」

原因に合わせて点眼などを選び、装用再開を相談する

ドライアイの治療では、水分を補うだけでなく、涙の成分に働きかける点眼などを目の状態に応じて使います。必要に応じて、涙の排出口に栓をする「涙点プラグ」なども検討されます。市販の目薬だけで十分か、別の治療が必要かは診察で確認しましょう。

まぶたのマイボーム腺の状態によっては、温めるケアが役立つ場合もあります。ただし、乾燥の原因を問わずホットアイマスクで治せるわけではありません。行ってよいかと方法を相談し、温めすぎに注意してください。痛みや充血、見えにくさがあるときの受診を、このケアで先延ばしにしないことが大切です。

治療で楽になっても、コンタクトレンズを再開してよいかは別に確認します。再開後の時間や種類、次の検査予定も相談し、症状が落ち着いているときも指示された定期検査を続けましょう。

参考サイト:参天製薬「ドライアイの治療」
参考サイト:参天製薬「目の乾きを放置するとどうなる?原因や対処法について解説」
参考サイト:PMDA「コンタクトレンズ使用中に定期検査が必要な理由」

まとめ

コンタクトレンズによる目の乾きには、涙の膜への影響に加え、装用時間、空調、画面を見る習慣などが関係します。乾燥感だけでドライアイと決めつけず、つらいときはレンズを外してメガネへ替えましょう。ワンデーは一度外したら再使用できません。

普段は風向きや湿度、まばたきと休憩を見直し、目薬はレンズへの対応と用法を確認します。商品や含水率だけで解決しようとせず、症状を繰り返す場合は眼科で涙と目の表面を調べてもらってください。強い痛みや急な見えにくさ、外しても続く痛みは受診を急ぎます。治療が必要な場合は、装用を再開できる時期や使い方も医師と相談しましょう。

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