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乱視用コンタクトの度数の見方|PWR・CYL・AXISとは

「乱視用コンタクトの箱に数字がいくつもあるけれど、どれが度数?」「PWRが同じなら、左右を入れ替えてもよい?」。初めて乱視用レンズを使うと、表示の多さに戸惑うことがありますよね。

乱視用ソフトコンタクトでは、PWR・SPHは近視や遠視を補う球面度数、CYLは乱視を補う円柱度数、AXIS・AXは円柱軸を表します。役割の異なる3つの情報なので、ひとつの数字だけでは同じ処方かどうか判断できません。

この記事では、各記号の意味、表示例の読み方、処方内容との照合方法を解説します。数値の意味を知ることは取り違えを防ぐために役立ちますが、自分で処方を決めたり変更したりするためのものではありません。

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乱視用コンタクトで見る3つの基本表示

まずは、PWR・CYL・AXISをひと組で確認しましょう。表記はメーカーや製品によって異なりますが、それぞれの役割は次のように整理できます。

主な表記表しているもの読むときのポイント
PWR・POWER・SPH・P・Dなど球面度数近視用はマイナス、遠視用はプラスで表示される
CYL・CY・Cなど円柱度数(乱視度数)乱視を補うレンズの矯正力を示す
AXIS・AXなど円柱軸(乱視軸)円柱レンズの軸の向きを角度で示す

ここでいう「度数」はレンズの矯正力で、視力検査の「0.1」「1.0」とは別の数値です。記号を省いて数字だけメモすると混同しやすいため、PWR、CYL、AXISの項目名も一緒に残してください。

参考サイト:アキュビュー「乱視度数や乱視の軸の見方」

PWR・SPHは、近視や遠視を補う球面度数

PWR・SPHなどは、球面度数を表す記号です。度数の単位にはD(ディオプター)が使われ、近視を補う場合は「-3.00」のようなマイナス、遠視を補う場合は「+3.00」のようなプラスで表示されます。

同じ符号なら、数字の絶対値が大きいほどレンズの矯正力は強くなります。たとえば、PWR -4.00DはPWR -2.00Dより強い近視矯正用の球面度数です。ただし、強くすれば誰でもよく見えるという意味ではありません。

PWRが同じでも、CYLやAXISが異なれば乱視の補い方が違います。「自分はマイナス3だから」と球面度数だけ覚えるのではなく、乱視用では残りの項目も合わせて確認しましょう。

参考サイト:アキュビュー「コンタクトレンズの度数の見方」

CYLは乱視度数。マイナスの符号と数字をセットで読む

CYLはCylinderの略で、乱視を補う円柱度数を示します。乱視用ソフトレンズでは「-0.75」「-1.25」など、マイナス表記の規格を見かけます。

この2つを比べると、絶対値が大きい-1.25Dのほうが、円柱度数としての矯正力は強くなります。負の数なので、単に「数字が大きいほど強い」と覚えると逆に捉えてしまう点に注意してください。

ただし、CYLだけを見て目の病気の重さや、乱視用レンズが必要かどうかまでは判断できません。見え方、球面度数、軸、実際の装用状態を含めて処方が決まります。購入時は符号も含めて照合し、記載が分からなければ眼科や販売店へ確認しましょう。

参考サイト:アキュビュー「コンタクトレンズの度数の見方」
参考サイト:アキュビュー「乱視用コンタクトレンズが合わない・ぼやける原因は?」

AXIS・AXは方向を表し、乱視の強さではない

AXIS・AXは、乱視を補う円柱レンズの軸を角度で示したものです。たとえば90度と180度は向きの違いであり、「180のほうが90より乱視が強い」という意味ではありません。

厳密には、円柱軸は円柱レンズの屈折力が加わらない方向を表し、それと直角の方向に円柱屈折力が加わります。そのため、AXISの数字をそのまま「文字がにじむ方向」へ読み替えることもできません。

同じPWR・CYLでも軸が違えば、矯正する方向が異なります。注文欄に処方どおりのAXISがない場合は、近い数字で代用せず確認してください。レンズを目の上で自分で回して合わせようとするのも避けましょう。

参考サイト:アキュビュー「ユーザーガイド:コンタクトレンズに関する情報」

数値例で確認する、左右と項目の読み分け方

意味が分かったら、複数の数値を一緒に読む練習をしてみましょう。以下は表示を説明するための架空の例で、実際に購入・装用するための処方例ではありません。

PWRが同じでも、左右でCYLやAXISが違うことがある

次の表では、右目用と左目用の球面度数は同じですが、乱視度数と軸が異なります。

確認する項目右目用の表示例左目用の表示例
PWR-3.00D-3.00D
CYL-0.75D-1.25D
AXIS180度90度

右目用は球面度数-3.00D、円柱度数-0.75D、円柱軸180度の組み合わせ、左目用は球面度数-3.00D、円柱度数-1.25D、円柱軸90度の組み合わせです。PWRだけを見れば同じでも、左右を取り違えてよいレンズではありません。

処方内容の右・左を確認し、それぞれの箱がどちら用か分かるように保管すると、つけるときの取り違えを減らせます。左右を外箱の色や記憶だけで区別せず、実際の製品名と数値を確認する習慣をつけましょう。

参考サイト:アキュビュー「近視性乱視とは?コンタクトレンズでの矯正方法」

PWRが0.00でも、乱視の矯正が入る場合がある

PWR 0.00は、球面度数がゼロであることを示します。CYLに度数がある乱視用レンズなら、PWRだけを見て「まったく度が入っていない」と考えるのは適切ではありません。

また、PWRとCYLを単純に足した値を「自分の度数」として覚えたり、その値の近視用レンズへ置き換えたりすることも避けます。球面度数と円柱度数は異なる働きを持ち、軸も含めた組み合わせで処方されています。

近視と乱視を1枚で補う考え方は、近視と乱視をコンタクトで同時に矯正する仕組みで詳しく紹介しています。

参考サイト:アキュビュー「乱視度数や乱視の軸の見方」
参考サイト:アキュビュー「近視性乱視とは?コンタクトレンズでの矯正方法」

処方内容とパッケージを照合する手順

乱視用レンズを購入・使用するときは、3つの数値に加えて、製品名やサイズなども確かめます。以前の注文履歴だけを見て買うのではなく、現在の処方内容と照合しましょう。

BC・DIA・EXPも意味を分けて確認する

箱や個包装には、度数以外の情報も並んでいます。数字が似ていても、示しているものや単位が違います。

表示・項目意味間違えやすい点
BCレンズ内面のカーブを曲率半径で表した値。単位はmm目そのものの大きさや、乱視の強さではない
DIAレンズの直径。単位はmm自分の目の直径を示す数字ではない
EXP未開封のレンズの使用期限開封後の交換日や処方せんの有効期限とは別
製品名・交換タイプ処方された製品と1day・2weekなどの区別同じシリーズ名でも、通常用・乱視用や交換タイプが違う場合がある

BCとDIAが一致していても、別製品なら素材や設計によってフィット感が変わります。「数字が全部同じだから別のブランドでもよい」とは判断しないでください。

EXPは期限切れでないか確認し、開封後は製品ごとの交換ルールを守ります。処方せん・指示書の有効期限や次回の受診時期は、眼科からの案内を確認してください。

参考サイト:アキュビュー「ユーザーガイド:コンタクトレンズに関する情報」
参考サイト:アキュビュー「コンタクトレンズの処方せんの必要性ともらい方」

購入時は、製品名から順に一項目ずつ照合する

注文画面では、数値の入力欄を順番に埋めるだけでなく、処方内容と比較しながら進めると取り違えを見つけやすくなります。たとえば、次の順番で確認しましょう。

  1. 現在の処方せん・指示書などを用意し、右目用と左目用の記載を確認する
  2. 製品名、乱視用であること、交換タイプが処方と一致するか確かめる
  3. 片眼ずつPWR・CYL・AXISを、符号と小数点も含めて照合する
  4. BC・DIAなどの規格と、注文する数量を確認する
  5. 届いたら外箱と個包装の表示、使用期限、破損や液漏れの有無を確認してから使う

読めない項目や選べない規格があれば、そのまま進めず眼科や販売店へ問い合わせてください。「前回に近いから」と数値を丸めたり、空欄を推測で埋めたりしないことが大切です。

手元の箱は使用中の製品を伝える資料にはなりますが、古い箱の規格が現在も適しているとは限りません。検査で処方が変わったときは、以前の在庫と混同しないように整理しましょう。

参考サイト:アキュビュー「コンタクトレンズの処方せんの必要性ともらい方」

メガネや検査結果の数値を、そのまま注文に使えない理由

似た記号が並んでいても、メガネの処方、検査機器の測定値、コンタクトの処方は同じものではありません。目に合うレンズを決めるまでには、実際の見え方や装用状態の確認が必要です。

メガネとコンタクトでは、レンズと目の距離が違う

メガネは目から離れた位置にレンズがあり、コンタクトは目の表面に装用します。この違いがあるため、メガネとコンタクトの度数は必ず同じになるわけではありません。逆に、必ず違うとも限りません。

乱視用コンタクトでは、製品に用意されている規格や、装着したレンズの回転・安定性も確認します。ネット上の換算表や計算式だけで、購入すべきPWR・CYL・AXISを決めることはできません。

メガネの処方値とコンタクトの表示が違っていても、すぐに誤処方と考えず、理由を眼科へ確認しましょう。詳しくは、メガネとコンタクトの度数の違いをご覧ください。

参考サイト:アキュビュー「コンタクトレンズの度数の見方」
参考サイト:アキュビュー「乱視用コンタクトレンズが合わない・ぼやける原因は?」

裸眼視力や機械の測定値だけでは、処方は決まらない

視力検査は、どの程度細かなものを見分けられるかを調べる検査です。「視力0.1だからPWRはこの値」といった一対一の対応はなく、視力から必要な度数を正確に計算することはできません。

眼科では、機械による他覚的な屈折検査と、本人の見え方を確かめる自覚的な屈折検査などを組み合わせます。検査機器から出た用紙にPWRやCYLに似た数値があっても、それが購入用の最終処方とは限りません。

さらに、トライアルレンズをつけた視力、位置・動き、乱視を補う向きの安定性を確認します。検査で「どちらが見やすいか」を尋ねられて迷ったときは、無理に選ばず、違いが分かりにくいことも伝えましょう。

参考サイト:クーパービジョン「乱視の検査方法について」
参考サイト:アキュビュー「乱視用コンタクトレンズが合わない・ぼやける原因は?」

数値が見つからない・度数が合わないと感じたら

表示を読めるようになっても、選べる数値や見え方について迷うことがあります。そんなときは、どの項目が不明なのか、何に困っているのかを整理して相談しましょう。

処方されたCYLやAXISが、商品の選択肢にない場合

製品ごとに製作範囲が異なるため、希望するレンズに必要な度数・軸の組み合わせがないことがあります。選択肢に出てこないからといって、近いCYLやAXISで注文するのは避けてください。

まず製品名と交換タイプ、乱視用の商品かを再確認します。それでも見つからない場合は、処方内容と注文画面を販売店へ伝え、必要に応じて眼科へ相談します。別製品への変更が必要なら、目への適合も確認してもらいましょう。

乱視が軽い場合などには近視用レンズが処方されることもありますが、「CYLがこの数値以下なら不要」と一律には決まりません。乱視の補正を省くかどうかも、自分で選ぶ項目ではありません。

参考サイト:アキュビュー「コンタクトレンズの度数の見方」
参考サイト:アキュビュー「近視性乱視とは?コンタクトレンズでの矯正方法」

ぼやけや疲れがあっても、自己判断で数値を変えない

見えにくさは、度数不足だけが原因ではありません。レンズの回転やフィッティング、乾燥、汚れ、目の状態などが関係することもあります。強い度数に買い替えれば解決するとは限らず、合わない度数は目の疲れにつながる場合もあります。

再診では、現在の製品名とPWR・CYL・AXISが分かる箱や処方内容を用意し、次の点を伝えると相談しやすくなります。

  • いつから見えにくくなったか、急な変化か
  • 右目・左目・両眼のどこで気になるか
  • 遠く、手元、夜間など、困る場面
  • まばたきの前後や、装用時間によって変わるか
  • 痛み、充血、目やに、乾燥などを伴うか

痛みや充血、急な視力低下などがあれば、直ちに装用を中止して眼科へ相談してください。外しても痛みが続く場合や見え方に影響がある場合は、速やかな受診が必要です。症状を確かめるために無理につけ直さないでください。

また、ソフトとハードでは乱視の補い方や処方の考え方が異なります。以前のハードレンズのPWRだけを使って、乱視用ソフトへ自己判断で替えることも避けましょう。種類の違いは、乱視用コンタクトレンズの種類と仕組みで紹介しています。

参考サイト:アキュビュー「コンタクトレンズの処方せんの必要性ともらい方」
参考サイト:日本眼科医会「防ごう目のトラブル!!コンタクトレンズの眼合併症」

まとめ

乱視用コンタクトのPWR・SPHは球面度数、CYLは乱視を補う円柱度数、AXIS・AXは円柱軸の向きを表します。CYLは符号と絶対値を含めて読み、AXISの数字の大小を乱視の強さと混同しないことが大切です。PWRが同じでも、左右でCYLやAXISが異なる場合があります。

購入時は、現在の処方内容と製品名・交換タイプ・左右それぞれの規格を一項目ずつ照合しましょう。BC・DIAや未開封の使用期限も確認が必要です。メガネの処方値や視力から自己判断で選んだり、選択肢にない数値を近いもので代用したりするのは避けてください。見えにくさや違和感があれば、箱や処方内容を持って眼科へ相談しましょう。

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