緑内障でもコンタクトレンズは使える?点眼治療中の注意点

「緑内障と診断されたら、コンタクトレンズはもう使えない?」「目薬をさすたびに外したほうがよい?」。毎日コンタクトレンズを使っていると、治療との両立が気になりますよね。

緑内障があることだけで、すべての方がコンタクトレンズを使えなくなるわけではありません。ただし、目の表面の状態や治療内容によっては、装用を休む必要があります。まず主治医に使用中であることを伝え、装用の可否と点眼のタイミングを確認しましょう。この記事では、緑内障治療中に気をつけたい着脱・点眼・通院のポイントを説明します。

緑内障でもコンタクトレンズは使える?

使えるかどうかは、病名だけでは決まりません。「眼圧が落ち着いているから大丈夫」「痛くないから続けてよい」と自分で判断せず、緑内障の管理とコンタクトレンズの適合を一緒に相談することが大切です。

視力を矯正することと、緑内障を治療することは別

コンタクトレンズは、近視・遠視・乱視などの屈折異常を矯正するためのものです。一方、緑内障は視神経に障害が起こり、見える範囲である視野に変化が生じる病気です。レンズで文字がはっきり見えるようになっても、緑内障の治療の代わりにはなりません。

緑内障では眼圧を下げ、視神経の障害の進行をできるだけ抑える治療を行います。眼圧が一般的な正常範囲にある方にも緑内障は起こるため、視力や一度の眼圧の数値だけで状態を判断することはできません。

参考サイト:日本眼科学会「緑内障」
参考サイト:日本緑内障学会「緑内障Q&A」

目の表面と治療内容を確認して、装用の可否を決める

日本眼科医会は、緑内障などで長期の点眼治療を続けるコンタクトレンズ装用者に対し、レンズを外して点眼するよう案内しています。治療中でも装用する場合はありますが、誰でもそのまま使い続けてよいという意味ではありません。

角膜の傷、強い乾燥、感染症やアレルギーなどがあれば、コンタクトレンズの装用自体を休む必要があります。点眼薬を始めた後に、しみる、充血する、ゴロゴロするといった変化が出たときも伝えてください。

相談の際には、「緑内障は安定していますか」だけでなく、「今の目の状態と薬で、このレンズを使ってよいですか」と尋ねると、必要な確認が具体的になります。

参考サイト:日本眼科医会「防ごう目のトラブル!!コンタクトレンズの眼合併症」

「コンタクトのせい」と原因を決めつけない

コンタクトレンズを使っている時期に緑内障が見つかっても、その時間的な前後関係だけで原因とは判断できません。また、レンズを外して目が楽になったことも、緑内障の状態がよくなった証拠にはなりません。

目の表面の不調と、視神経・視野の変化は分けて調べる必要があります。乾燥感や見えづらさを「いつものコンタクトの不調」と片づけず、いつから、片目か両目か、外した後も続くかを診察で伝えましょう。

緑内障の点眼薬は、レンズを外して使うのが基本

治療を続けるうえで、レンズと点眼薬の組み合わせは大切な確認事項です。着脱が面倒だからと目薬を省いたり、コンタクトレンズの上から自己判断でさしたりせず、処方された使い方に合わせましょう。

防腐剤だけで装用中の使用可否を判断しない

点眼薬に含まれる成分がレンズに吸着し、レンズや角膜に影響する場合があります。特にベンザルコニウム塩化物という防腐剤については、ソフトレンズへの吸着が注意されています。

ただし、「防腐剤が入っていなければ何でも装用中に使える」「ハードなら外さなくてよい」と、条件を一つだけ見て判断するのは避けてください。緑内障の治療薬は、製品ごとの説明と処方医の指示を確認します。

一般的な表示の読み方や点眼時の注意は、コンタクトレンズ対応の目薬と使い方も参考にしてください。

参考サイト:日本眼科医会「防ごう目のトラブル!!コンタクトレンズの眼合併症」

再装用までの時間は薬ごとに確認する

「点眼後は5分待てばよい」などと、すべての緑内障点眼薬に共通する時間を決めることはできません。確認した添付文書でも、次のように記載が異なります。

製品の例添付文書に記載されたレンズの扱い
チモロール点眼液0.25%・0.5%「ニッテン」ソフトレンズを点眼前に外し、点眼後少なくとも5〜10分間の間隔をあけて再装用
ラタノプロスト点眼液0.005%「センジュ」レンズを点眼前に外し、15分以上経過後に再装用

これは製品ごとの違いを示す例で、薬を選ぶための比較や、他社製品へそのまま当てはめる目安ではありません。手元の薬の正式な製品名を確認し、医師・薬剤師に自分の場合の時間を聞いてください。

また、再装用までの時間を守ることと、今の目の状態で装用してよいことは別です。炎症などで装用を休むよう指示されている場合は、指定時間が過ぎてもレンズを戻さないでください。

参考サイト:PMDA「チモロール点眼液0.25%・0.5%『ニッテン』電子添文」
参考サイト:PMDA「ラタノプロスト点眼液0.005%『センジュ』添付文書」

点眼薬同士の間隔と、レンズを戻すまでの間隔を区別する

複数の目薬を続けてさすと、後の薬が前の薬を洗い流してしまうことがあります。日本緑内障学会は、2種類以上の点眼薬を使う場合は5分以上あけ、順番の指示があれば従うよう案内しています。

この「目薬と目薬の間隔」は、「最後の点眼からコンタクトレンズをつけるまでの間隔」とは別です。複数の薬を使う方は、点眼の順番・薬同士の間隔・レンズを戻せる時点まで、一続きの手順として確認しておきましょう。

参考サイト:日本緑内障学会「緑内障Q&A:目薬の正しいさし方」

点眼とコンタクトレンズを両立させるには

毎日の生活に組み込める方法を主治医と相談しておくと、点眼のたびに迷いにくくなります。仕事や外出の都合も伝え、治療を省かずに続けられる時間の組み方を考えましょう。

朝の装用前・夜の取り外し後など、処方に合う時間を相談する

朝にレンズをつける前、夜に外した後に点眼できれば、途中の着脱を減らせます。ただし、これは処方された回数や時刻と合う場合の工夫です。昼間の点眼があるのに夜へまとめたり、装用中だけ点眼を抜いたりしてはいけません。

例えば、朝の点眼後に必要な間隔を確保できない場合は、起床後のどの段階で点眼するか、出発時はメガネにするかを考えられます。予定どおりに点眼しにくい事情を、そのまま医師や薬剤師に伝えてください。

参考サイト:日本眼科医会「防ごう目のトラブル!!コンタクトレンズの眼合併症」
参考サイト:日本眼科医会「緑内障といわれた方へ―日常生活と心構え―」

点眼前後の手順と、外したレンズの扱いを確認する

装用が認められている場合も、清潔な手で扱い、点眼と再装用の順番を守ります。以下を基本に、個別の指示を優先してください。

  1. 手を洗い、装用中であればコンタクトレンズを外す。
  2. 処方された滴数を、容器の先が目やまつ毛に触れないように点眼する。
  3. 静かに目を閉じ、指示された方法で目頭を軽く押さえ、あふれた液を拭き取る。
  4. 複数の薬は指示された順番と間隔で使う。
  5. 再装用が認められている場合だけ、薬ごとに確認した時間をあけてレンズをつける。

ワンデーは一度外したら再使用できません。「点眼の間だけ」「短時間しか使っていない」という場合も同じです。再装用するなら新品が必要になるため、着脱の回数も含めてレンズの種類と生活に合う方法を相談しましょう。再使用するレンズも、指定されたケアを省いてよいわけではありません。

参考サイト:日本緑内障学会「緑内障Q&A:目薬の正しいさし方」
参考サイト:日本コンタクトレンズ学会「消毒方法の特徴と使い捨てレンズのケア」

レンズの種類より先に、無理なく扱える条件を考える

緑内障の方にはハード・ソフトのどちらがよい、と一律には決められません。乾きやつけ心地、フィッティングに加え、必要な点眼の回数、手入れや着脱を行える環境も相談材料になります。

「外出先では手洗いや着脱が難しい」「夕方に乾く」「細かな作業がしづらい」といった具体的な困りごとを伝えてください。メガネを併用し、レンズを使わない時間を設けることも選択肢です。レンズを使うために緑内障の治療を減らすのではなく、治療を続けられる使い方を相談しましょう。

参考サイト:日本眼科医会「コンタクトレンズ関連情報」

診察・検査では、レンズと点眼の両方を伝える

コンタクトレンズの購入時の検査と、緑内障の経過をみる検査は、目的が同じではありません。見え方が安定していても、指示された通院を続けてください。

受診前に、装用したまま来院してよいか確認する

当日の検査に合わせて、レンズをつけたまま来院するか、事前に外しておくかを医療機関へ確認しましょう。普段のフィッティングをみるのか、レンズを外して目を調べるのかによって準備が変わります。「何時間前に外す」と自己判断で決める必要はありません。

メガネとお薬手帳を持参し、再使用するレンズならケースや適合するケア用品が必要かも確認します。点眼についても、診察前だけ薬を抜くなどせず、当日の使い方に指示があるかを聞いてください。

緑内障の経過と、目の表面・レンズの状態をそれぞれ確認する

眼圧が下がったか、視野の変化が進んでいないかと、コンタクトレンズが目に合っているかは、別々に確認する必要があります。

確認すること診察・検査でみる内容の例
緑内障の経過眼圧、視神経や視野の変化、治療の効果
コンタクトレンズの使用状態レンズの汚れや傷、フィッティング、目の表面の状態
治療と日常生活の両立点眼の実際の回数・時刻、着脱の負担、気になる症状

目が重い感じや朝夕の見え方の違いだけでは、眼圧の高さを判断できません。片目ずつ見て気になる変化がなくても、緑内障の進行を否定できるわけではありません。自宅での気づきは診察時の情報にし、検査の代わりにしないことが大切です。

参考サイト:日本緑内障学会「緑内障Q&A」
参考サイト:PMDA「コンタクトレンズ使用中に定期検査が必要な理由」

主治医へ確認したいことをメモしておく

薬が変わったとき、生活時間が変わったとき、目の手術やレーザー治療を受けるときは、以前の装用方法をそのまま続けてよいか確認しましょう。次の項目をメモしておくと、短い診察時間でも質問を整理しやすくなります。

  • 今の目の状態で、このレンズを使ってよいか
  • 各点眼薬の回数・時刻と、レンズを外すタイミング
  • 点眼薬同士の順番・間隔と、再装用までに必要な時間
  • 1日の装用時間と、メガネに替える目安
  • 緑内障とコンタクトレンズ、それぞれの次の検査予定
  • 手術・処置前後にレンズを休む期間と、再開を確認する診察日

手術前後の装用は、普段の「点眼後に何分待つか」とは別の問題です。自己判断で以前のレンズへ戻さず、担当医に再開の可否を確認してください。

痛みや急な見え方の変化は、次の予約を待たず相談する

治療中の不調には、レンズのトラブル、薬の影響、別の目の病気など、さまざまな可能性があります。症状だけで原因を決めつけず、早めに相談することが大切です。

強い目の痛み・頭痛・吐き気・急な見えにくさは速やかに受診する

強い目の痛みや急な視力低下がある場合、特に頭痛や吐き気を伴う場合は、速やかに眼科へ連絡・受診してください。急性緑内障発作では急激に眼圧が上がり、こうした症状が出ることがあります。すべての緑内障で起こるものではありませんが、「コンタクトの乾燥だろう」と様子を見ないでください。

レンズを装用中なら外し、外せないほど痛い場合は無理に触らず、医療機関へ連絡します。診療時間外は眼科の救急対応が可能な医療機関へ相談してください。

参考サイト:日本眼科学会「緑内障」

充血やゴロゴロ感も、我慢して使い続けない

強い症状がなくても、充血、痛み、かすみ、目やに、異物感があれば装用を中止し、眼科へ相談しましょう。外しても痛みが続く、見え方に影響がある場合は受診を急ぎます。「数日続いてから受診する」という待ち方は避けてください。

点眼後に不調が続く場合は、薬を使った時刻と症状の経過を伝え、次の点眼をどうするかも確認します。コンタクトレンズを休むことと、緑内障の薬を長期に自己中断することを混同しないでください。

代表的な眼障害は、コンタクトレンズで起こる目の病気で説明しています。普段のリスクと予防の全体像は、コンタクトレンズは目に悪い?主なリスクと予防も参考になります。

参考サイト:日本眼科医会「防ごう目のトラブル!!コンタクトレンズの眼合併症」
参考サイト:日本眼科医会「緑内障といわれた方へ―日常生活と心構え―」

まとめ

緑内障があってもコンタクトレンズを使える場合はありますが、目の表面の状態や治療内容を含めた主治医の判断が必要です。見え方がよいことや、眼圧が正常範囲にあることだけで装用を続けてよいとは判断できません。

点眼薬はレンズを外して使うことを基本に、薬ごとの再装用までの時間を確認しましょう。複数の目薬の間隔と、レンズを戻すまでの間隔は別です。ワンデーは外したら再使用せず、メガネも活用します。強い痛みや急な見え方の変化は受診を急ぎ、症状がなくても通院を継続してください。生活上の工夫や休息で治療を置き換えず、点眼と装用を無理なく両立できる方法を相談しましょう。

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